花粉やホコリ、ダニなどによるアレルギー性鼻水や、皮膚の痒みに処方されるのがエバステル錠(一般名:エバスチン)です。

エバステルについて作用機序や効果発現時間、持続性についてまとめました。

効能・効果

エバステル(エバスチン)の効能・効果は下記の通りです。

蕁麻疹 湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚瘙痒症 アレルギー性鼻炎

 

作用機序(メカニズム)

作用機序について説明する前にアレルギーが起こるメカニズムについて説明します。

花粉やほこりなどのアレルゲンが体内に入ると、体は外敵とみなし攻撃をスタートします。

この攻撃が過剰になるとアレルギー症状がでてしまいます。

花粉症やじんましんは即時型(Ⅰ型)アレルギーと言われ、体の中にアレルゲンが入ると血液中のIgE抗体と結合します。

すると外敵を攻撃するために肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されます。

脳や血管にヒスタミンH1受容体というものがあるのですが、ヒスタミンがヒスタミンH1受容体と結合することで、鼻水や眼の充血、肌の痒みなどが生じます。

エバステル(エバスチン)は体内で活性体のカレバスチンに代謝された後、ヒスタミンH1受容体にヒスタミンが結合することをブロックすることで、鼻水や皮膚の痒みを軽減します。

効果発現時間(Tmax)

薬を服用して血中濃度が最大になるまでの時間をTmax(ティーマックス)というのですが、エバステル(エバスチン)を空腹時に服用した時のTmaxは4〜6時間となっています。

持続性(T1/2・半減期)

エバステル(エバスチン)は持続性があり24時間効果が持続するのが特徴です。

薬を服用して血中濃度が最大に達した後、半分ずつの濃度に分解される時間をT1/2(ティーハーフ)または半減期というのですが、エバステル(エバスチン)の半減期は18時間となっています。

つまりエバステル(エバスチン)を服用した後、4〜6時間で血中濃度が最大となり、その後18時間ごとに半分の濃度に分解されていくのです。

エバステル(エバスチン)は持続性があるため1日1回の服用でOKとなっています。

眠気の副作用がでるため車の運転は注意

エバステル(エバスチン)は眠気の副作用がでる可能性があるため車の運転は「注意すること」となっています。

抗アレルギー薬の中では眠気の副作用が強くでることから「車の運転はしないこと」となっているものがありますが、エバステル(エバスチン)は「注意すること」となっています。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんについては添付文書によると「治療上の有益生が危険性を上回る場合にOK」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕

引用元 エバステル添付文書

添付文書によると授乳中にエバステル(エバスチン)を服用する場合は「授乳を避けること」とされています。

本剤投与中は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕

引用元 エバステル添付文書

 

市販薬はある?

エバステル錠の有効成分である「エバスチン」が入った市販薬が販売されています。

  • エバステルAL

エバステルALには1錠あたりエバスチンが5mg入っています。