咳が続く気管支喘息や花粉症などのアレルギー性鼻炎に処方される薬がシングレアキプレスです。

販売元のメーカーが異なるだけで、シングレアもキプレスも違いはなく同じ薬です。

どちらもロイコトリエン拮抗薬といわれモンテルカストという成分が入っており、気管支の収縮を抑えたり咳や鼻水を抑える作用があります。

特に小さいお子さんの夜間の咳に効果的なことから頻繁に処方される薬です。

シングレア、キプレスの種類や特徴についてまとめてみました。

シングレア・キプレスの種類

シングレアとキプレスには「細粒」「チュアブル錠」「錠剤・OD錠」の種類があります。
それぞれの特徴や味、飲ませ方などについて説明していきます。

シングレア細粒・キプレス細粒の特徴

シングレア細粒

出典 MSD


キプレス細粒

出典 杏林製薬

効能・効果

シングレア細粒、キプレス細粒は気管支喘息のみに適応があります。
細粒に関しては花粉症などの「アレルギー性鼻炎」の適応はありません。

用法・用量

1歳以上6歳未満のみ服用できます。

通常、1歳以上6歳未満の小児にはモンテルカストとして4mg(1包)を1日1回就寝前(寝る前)に飲ませます。

シングレア細粒とキプレス細粒は、どちらも特に風味や味はないですが甘味が付いていますので飲みやすいかと思います。

飲ませ方

口の中ですぐに溶けてきますのでそのまま口に入れてあげてください。
嫌がる場合や飲めない場合は、ベビーフードに混ぜてもいいですが30℃以下に冷やして混ぜてください。

体重、年齢、症状等による用量調節をせず、全量を服用させます。
また光に不安定なので、開封したら15分以内に服用させましょう。

シングレアチュアブル・キプレスチュアブルの特徴

シングレアチュアブル

出典 MSD

キプレスチュアブル

出典 杏林製薬

効能・効果

シングレアチュアブル、キプレスチュアブルは気管支喘息のみに適応があります。
細粒とチュアブルに関しては花粉症などの「アレルギー性鼻炎」の適応はありません。

用法・用量

通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に服用します。

味について

チェリー味で噛んで飲むことができます。
水を飲まなくても服用することができます。

飲み方・嚙み砕く?そのまま飲んだらダメ?

口の中で溶かすか、かみくだいて服用します。チェリーのにおいや甘い味が苦手なお子さんは水で流し込んでください。

「そのまま飲んでしまったけど大丈夫?」

時々聞かれる質問ですが製薬メーカーのキョーリン製薬に問い合わせたところ「お子さんにお菓子の感覚で服用してもらうため噛んで服用できる薬にしているので、そのまま飲み込んでも効果に変わりない」とのことです。

キプレス錠・シングレア錠の特徴

錠剤タイプには、

キプレス錠5mg、10mg、OD 錠 10mg
シングレア錠5mg、10mg、OD 錠 10mg

があります。

効能・効果

キプレス、シングレアの錠剤タイプの効能・効果は下記の通りです。

気管支喘息、アレルギー性鼻炎

細粒やチュアブルには適応のない「アレルギー性鼻炎」に対して効能・効果があります。

用法・用量

気管支喘息
通常、成人にはモンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に服用します。

アレルギー性鼻炎
通常、成人にはモンテルカストとして5~10mgを1日1回就寝前に服用します。

キプレスODもシングレアODには、どちらもハッカが入っており「ミント味」となっています。
OD錠は大きいですが、軽くすぐに口の中で溶けるのが特徴です。

食後に服用してはダメ?就寝前服用の理由

キプレス、シングレアともに寝る前に服用することになっています。

食後や食前でもなく空腹時に服用しなければいけません。

食後に服用すると吸収が低下したり、効果発現までに時間がかかることが製薬メーカーの資料に掲載されています。

健康成人にモンテルカストチュアブル錠5mgを食後投与することにより空腹時に比べて最高血漿中濃度到達時間(Tmax)は2.3±0.9時間から4.0±1.9時間に遅延した。また、Cmaxは488±66ng/mLから256±82ng/mLに48%減少し、AUC0-∞は 2730±743ng・hr/mLから2386±498ng・hr/mLに13%減少した

Cmaxとは薬が血液中に吸収される最大濃度のことで、AUCとは縦軸に血中濃度、横軸に服用後の時間でグラフを描いた時の総面積のことで「全体的な効果の指標」になります。

キプレスやシングレアは空腹時に服用すると2~3時間で効いてくるのですが、食事を摂って服用すると効果発現までの時間が4~5時間延びてしまい、効き目自体も大きく減ってしまうのです。

シングレアやキプレスを食後に服用することで、空腹時よりも効果が弱くなることが分かるかと思います。

また夜寝る前に飲むことで、咳がひどくなる夜間や早朝に血中濃度のピークを持ってくる目的もあります。

夜寝る前になかなか飲んでくれない場合など、医師によっては「夕食後」で処方されるケースもあります。

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飲み合わせ(併用に注意する薬)

シングレアやキプレスと一緒に服用するのに注意する薬は下記の1種類のみです。

フェノバルビタール

抗てんかん薬のフェノバルビタール(フェノバール)と併用することで、フェノバルビタールがキプレスやシングレアの代謝を促し、キプレス・シングレアの効果が弱くなってしまいます。絶対に一緒に服用してはいけないわけではないですが併用注意となっています。

妊娠・授乳中の服用

妊娠、妊娠の可能性がある方への処方についてメーカーの資料を抜粋します。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。海外の市販後において、 妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。

また授乳中の方への記載は下記の通りです。

授乳中の婦人に投与する場合は慎重に投与すること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕

しかし、海外の基準では授乳中の場合、「概ね適合」となっています。

概ね適合:probably compatible

授乳婦の対照試験はないが、児不都合な影響が出る可能性がある。又は対照試験でごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない。母親の潜在的な有益性が児の潜在的なリスクを凌駕する場合のみ投与(論文でのデータがない新薬は安全と考えられても自動的にL3)

そのため、臨床では授乳中の方にも、授乳を中止することなく処方されるケースがあります。

ジェネリック医薬品(後発品)

キプレス(シングレア)のジェネリック医薬品が2016年9月より発売されました。

まずはキプレス錠5mg、10mgのジェネリック医薬品として、モンテカルスト錠「KM」5mg、10mgという名前でキョーリンリメディオが製造販売します。

これはオーソライズドジェネリックといわれ、先発品のキプレスと同じ工場で同じ有効成分と添加物を用いて作られますので、薬そのものは全く同じとなります。

またその他、日医工トーワ薬品からもシングレア・キプレス錠のジェネリック医薬品が販売されています。

虫歯になる?歯磨きは必要?

キプレスチュアブルやシングレアチュアブルを服用されるお子さんの親御さんから、

「寝る前に噛んで虫歯にはなりませんか?」

といった相談を受けることがあります。

添加物の甘味料は「マンニトール」や「アスパルテーム」でお砂糖は入っていないため、虫歯の心配はいりません。

そのため服用前に歯磨きをしているのであれば、服用後そのまま歯磨きをすることなく寝かせても問題ないと考えられます。

キプレス細粒、シングレア細粒も同様です。