肝臓でのコレステロールの合成を阻害するスタチン系の薬剤にリバロ(一般名:ピタバスタチンカルシウム水和物)があります。

リバロはスタチンの中でも「ストロングスタチン」と呼ばれ、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる作用が強いのが特長です。

リバロについて薬局で患者さんから質問を受ける内容をまとめました。

効能・効果

リバロの効能・効果です。

  • 高コレステロール血症
  • 家族性高コレステロール血症

製薬メーカーが実施した試験によると、リバロ2mgを8週間投与した際のコレステロール(悪玉・善玉)、中性脂肪(TG)の変化率は下記の通りとなっています。

総コレステロール:-28.3%に低下
LDLコレステロール(悪玉):-39.7%に低下
HDLコレステロール(善玉):4.4%上昇
TG中性脂肪):-24.9%に低下

作用機序(メカニズム)

コレステロールは身体にとって不可欠で、8割が肝臓から作られ、残りの2割が食事によるものといわれています。

悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を手っ取り早く下げるためには肝臓でのコレステロールの生成を邪魔すればいいわけですね。

スタチン系と呼ばれる薬は全て肝臓でのコレステロールの合成を阻害します。

リバロの有効成分であるピタバスタチンはLDLコレステロールの合成に関わる酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害することでコレステロールの生成を抑えます。

肝細胞内のコレステロールが低下することで、肝臓は血液中のLDLコレステロールを取り込み、結果的に血液中のLDLコレステロールが低下するのです。

またLDLコレステロールを低下させるだけでなく、善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールを上昇させたり、中性脂肪(TG)を下げる作用もあります。

リバロ(ピタバスタチン)の作用

  • LDLコレステロールの低下作用
  • HDLコレステロールの上昇作用
  • TG(中性脂肪)を下げる

ジェネリック医薬品との違い

リバロには薬価の安いジェネリック医薬品があります。

ピタバスタチンCa錠+メーカー名で、

サワイトーワファイザーなどから販売されています。

先発品と比べて添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。

グレープフルーツジュースとの飲み合わせ・併用

リバロ(ピタバスタチン)を服用中にグレープフルーツジュースは問題なく摂取できます。

スタチン系の薬の中でもリピトール(一般名:アトルバスタチン)やリポバス(一般名:シンバスタチン)はグレープフルーツの影響を受けてしまいます。

そのため
「コレステロールを下げる薬=グレープフルーツを避ける」
と思われがちですが、リバロはグレープフルーツの影響を受けることはないとされています。

市販薬はある?

リバロの有効成分であるピタバスタチンの入った市販薬は販売されていません。
スタチン系の薬は慎重に処方する必要のある薬剤であるため、必ず医療機関を受診して処方してもらうようにしましょう。

妊娠・授乳中の服用

リバロ(ピタバスタチン)は妊婦さんには「投与のできない薬」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)での周産期及び授乳期投与試験(1mg/kg 以上)において分娩前又は分娩後の一時期に母動物の死亡が認められている。また、ウサギでの器官形成期投与試験(0.3mg/kg 以上)において母動物の死亡が認められている。ラットに他のHMG-CoA還元酵素阻害剤を大量投与した場合に胎児の骨格奇形が報告されている。更にヒトでは、他のHMG-CoA還元酵素阻害剤で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告がある。〕

引用元 リバロインタビューフォーム

また授乳中の場合は基本的に投与ができません。

CK(CPK)の値をチェック・横紋筋融解症に注意する

頻度は決して高くはないですが、筋肉痛や四肢の脱力感などの症状がでる横紋筋融解症が現れることがあります。

横紋筋融解症になると血液検査の項目であるCK(CPK)値が基準値の10倍近く上昇してきます。

定期的に血液検査をし、CK(CPK)の値をチェックすれば事前防止にも繋がります。

もし、筋肉の痛みや脱力感、おしっこがコカコーラのような赤褐色になる場合はかかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしてください。

 

現役薬剤師Yu現役薬剤師Yu

リバロ(ピタバスタチン)はストロングスタチン製剤なので悪玉コレステロールを下げる作用は強力です。

しかし、強い薬だからといって薬物療法だけに頼らず、食事でコントロールしていくことも心がけなければいけません。

・食事は野菜から食べる(ベジタブルファースト)
・食物繊維を多く摂る
・動物性脂肪より植物性脂肪を摂取
・コレステロールの摂取量を制限

など薬だけでなく自分自身の努力も必要になってきます。