ニキビに処方される塗り薬がデュアック配合ゲルです。

デュアック配合ゲルについて作用機序や塗り方、保管方法についてまとめました。

有効成分(ダラシンTゲル+ベピオゲル)

デュアック配合ゲルは抗菌薬のダラシンTゲル(成分名:クリンダマイシン)と酸化剤のベピオゲル(成分名:過酸化ベンゾイル)が配合された薬です。

有効成分含有量
クリンダマイシン
抗菌薬
1g中10mg
過酸化ベンゾイル
酸化剤
1g中30mg 

作用機序

クリンダマイシンはニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌のタンパク質を変性させることで、殺菌作用を示します。

過酸化ベンゾイル(BPO)は皮膚の中で分解される過程で活性酸素を放ちます。
活性酸素がニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌の膜タンパク質やDNAを傷害することで菌の繁殖を抑えます。

また過酸化ベンゾイル(BPO)には厚くなった角質をはがし毛穴に詰まった角栓を取り除く作用もあります。

効能・効果

デュアック配合ゲルの効能・効果です。

【適応菌種】 
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
【適応症】
尋常性ざ瘡(読み方:じんじょうせいざそう)

尋常性ざ瘡はいわゆる「ニキビ」のことです。

使い方・塗り方

デュアック配合ゲルは洗顔後に1日1回使用します。

洗顔後、タオルで顔の水分を拭き取ったあと、指で直接「ニキビとその周辺」に広げるように塗っていきます。

薬が衣類などに付着すると脱色する可能性があるため、塗ったあとはよく手を洗うようにしましょう。

保管は冷蔵庫

デュアック配合ゲルに含まれる有効成分である「過酸化ベンゾイル」は冷蔵庫保管(2〜8℃)なっています。

部屋でなく、冷蔵庫で凍らせないように保管しましょう。

妊娠・授乳中の使用

製薬メーカーの資料では妊婦さんへは「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

引用元 デュアック配合ゲル インタビューフォーム

デュアック配合ゲルの有効成分であるクリンダマイシンと過酸化ベンゾイルには催奇形性は報告されておらず、生殖発生に悪影響を及ぼさないことが示されていますが、念のための注意書きとなっています。

授乳中については製薬メーカーの説明書では「授乳を避けること」とされています。

授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせるこ と。[母乳中への移行は不明である。]

引用元 デュアック配合ゲル インタビューフォーム

海外の基準では授乳中の使用は「比較的安全」に位置付けられています。

L2 概ね適合(比較的安全):probably compatible
少数例の研究に限られるが、乳児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない。

引用元 Medications and Mothers’ Milk 2014基準