「尿が出るまでに時間がかかる・・」
「尿の回数が多い・・」
「残尿感がある・・」

このような排尿障害で前立腺肥大が原因となる時に処方されるのがエブランチルカプセル(一般名:ウラピジル)です。

エブランチルカプセルについて作用機序や特徴、服用の注意点についてまとめました。

効能・効果

エブランチルは「前立腺肥大症に伴う排尿障害」の治療薬だけでなく降圧剤としても処方されます。

また他のα1受容体遮断薬にない「神経因性膀胱に伴う排尿困難」にも適応があるため女性にも処方されることがあります。

・本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症
・前立腺肥大症に伴う排尿障害
・神経因性膀胱に伴う排尿困難

作用機序(メカニズム)

前立腺は尿道のまわりを取り囲むように存在しています。

前立腺が肥大すると前立腺が尿道を圧迫し、下記のような排尿障害が起こります。

排尿障害の症状

・頻尿
・尿閉
・残尿感 
・尿失禁(尿が漏れる) 
・尿の量が多いor少ない
・排尿時の痛み

エブランチルは前立腺の平滑筋に存在するアドレナリンα1受容体を遮断することで前立腺や尿道の筋肉が収縮するのを抑え、排尿障害を改善します。

またα1受容体は血管の平滑筋にも存在することから、エブランチルは血管のα1受容体にも作用し、血管を広げ血圧を低下させる働きがあります。

脱カプセルはできる?

エブランチルカプセルは中に細かい顆粒が入っています。
カプセルが飲めない場合は、カプセルを外して(脱カプセル)して服用しても問題ないとされています。
しかし顆粒には徐放性といって、じっくりと効かせるように工夫されていますので、中の顆粒を噛んだりして服用するのは避けるようにしましょう。

飲み忘れた場合の対応は?

エブランチルを飲み忘れた場合は「気付いた時にできるだけ早く服用すること」とされています。

また

「次に飲む時間まで4〜5時間程度あけること」
「次の服用まで2〜3時間しかない場合は1回とばして次の服用時間に1回分を飲むこと」

とされています。

主治医から指示がある場合はそちらに従うようにしましょう。

血圧低下によるふらつきのため車の運転に注意

エブランチルは血管にも作用し血圧を下げるため「ふらつき」や「立ちくらみ」などの副作用が起こることがあります。

急に立ち上がるのは避けてゆっくり動くようにしましょう。

また自動車の運転は注意することとされています。