下痢や便秘をくりかえす過敏性腸症候群(IBS)の中で下痢型に処方される薬にイリボー(成分名:ラモセトロン)があります。

イリボーはもともと男性向けのIBS治療薬として販売されたのですが、2015年より女性にも適応が拡大となりました。

イリボーの作用機序、男性、女性の飲み方、患者さんから時々質問される妊娠・授乳中の服用についてまとめてみました。

作用機序・メカニズム(セロトニン受容体遮断)

セロトニンが腸管にある5HT3受容体と呼ばれる場所に結合すると、消化管の運動が亢進し下痢や腹痛がおこるとされています。

イリボー(ラモセトロン)はセロトニンが5HT3受容体に結合するのを遮断することで、消化管の亢進を抑え、下痢を改善します。

また大腸の痛覚の伝達を抑えることも分かっており、下痢だけでなく腹痛も軽減することができます。

イリボー(ラモセトロン)男性の飲み方

男性は通常イリボー錠5μgを1日1回1錠で服用します。

通常、成人男性にはラモセトロン塩酸塩として5μgを1日1回経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は10μgまでとする。

 

イリボー(ラモセトロン)女性の飲み方

元々イリボーは男性だけしか処方できない薬でした。2015年5月に女性での適応を取得し、男性の半分の量で女性にも処方されるようになりました。

通常、成人女性にはラモセトロン塩酸塩として2.5μgを1日1回経口投与する。 なお、効果不十分の場合には増量することができるが、1日最高投与量は5μgまでとする。

 

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんの場合、製薬メーカーの説明書によると「有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。]

引用元 イリボーインタビューフォーム

授乳中の場合は「授乳を中止すること」となっています。

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。[ラットにおいて乳汁中への移行 が報告されている。]

引用元 イリボーインタビューフォーム

イリボー(ラモセトロン)は市販薬で売ってる?

イリボーの有効成分であるラモセトロンが入った市販薬は2017年時点で売っていません。