風邪のひき始めや肩こりに処方される漢方薬がツムラ葛根湯(1番)です。

葛根湯の効能・効果

葛根湯が処方される症状は下記の通りです。

自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症

感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん

葛根湯は風邪だけでなく、肩こりや頭痛でも頻繁に処方されます。

有効成分

1日分7.5g中下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有しています。

成分名 組成
カッコン 4.0g 
タイソウ 3.0g 
マオウ 3.0g 
カンゾウ 2.0g 
ケイヒ 2.0g 
シャクヤク 2.0g 
ショウキョウ 2.0g 

時々、薬のサイトで組成量のことを含有量として表記しているサイトがありますが、実際に含有される成分の量と組成量とは異なりますので注意が必要です。

味・におい

特異なにおいがあり、味は初め甘く、後に辛く、やや苦い。

飲み方(用法・用量)

 

通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

食前とは?
食事の30分前

食間とは?
食事と食事の間(食後2時間)

最初に水を含む
最初に口の中に水(orぬるま湯)を含ませた状態で、漢方を口に入れるとスムーズに飲み込むことができます。

食前・食間服用の理由

「漢方薬を食前に服用するのは吸収をよくするため!!」

という言葉を耳にしたことはないでしょうか?

実はこれは全く逆の間違いで、

漢方を食前や食間に服用する理由は「吸収を抑えるため」なのです。

漢方は安全なお薬と言われていますが、ブシやマオウなどのアルカロイドは少量で激しく作用をします。空腹時は胃の中には「胃酸」が多く存在することからpHが低い状態になっています。

胃内のpHが低い空腹時に服用すると、吸収が穏やかになり消化器系への副作用が減ります。つまり漢方の食前・食間服用は安全性を高めることを目的としているのです。もちろん胃の中に何もない空腹時であれば腸までに早く達し、効果が速くでることや、食物との相互作用を防ぐ目的もあります。

風邪の時の効果的な飲み方(多量の白湯)

風邪の時などより速く効かせたい場合は、多めの白湯(さゆ)と一緒に服用することをオススメします。

白湯(さゆ)を多く飲むと、胃酸が希釈され吸収がよくなります。また水分補給にも繋がりますので、風邪の時はお湯を飲んで胃の中の胃酸を希釈した後に、葛根湯をお湯で飲むのが良いかと思います。

子供・赤ちゃんへの用量

ツムラさんによると子供への用量は下記の通りです。

年齢 用量
7歳〜15歳未満 成人の2/3
4歳〜7歳未満 成人の1/2
2歳〜4歳未満 成人の1/3
2歳未満 成人の1/4以下

また一般的に赤ちゃんへの投与量は下記のようにされています。 

1歳 成人の1/4
6ヶ月 成人の1/5
3ヶ月 成人の1/6
新生児 成人の1/8

Von Harnack表より

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんの場合、製薬メーカーの説明書では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に投与」となっています。

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

葛根湯の成分である麻黄(マオウ)には交感神経を興奮させる作用があることから、麻黄の入っていない桂枝湯(けいしとう)や香蘇散(こうそさん)が処方されるケースがあります。

授乳中については添付文書に注意書きがなく「授乳を中止することなく服用してもよい」と指導されるケースが多くあります。

副作用

漢方薬は副作用が少ないといわれていますが、頻度は不明で下記の副作用が現れることが報告されています。

  頻度不明
過敏症  発疹、発赤、 痒等
自律神経系  不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等
消化器  食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐等
泌尿器  排尿障害等

 

ケイヒによる発疹・痒み

葛根湯に含まれるケイヒが発疹、発赤、痒みなどの過敏症状を引き起こすことが報告されています。頻度は不明となっています。

マオウによる頻脈・悪心・排尿障害

葛根湯に含まれるマオウによって、動悸・頻脈・興奮などの自律神経系の副作用や、悪心・食欲不振といった消化器系の副作用、排尿障害などが報告されています。

眠気の副作用はでる?

葛根湯で眠気の副作用は報告されていません。

飲み合わせが悪い薬(併用注意)

ツムラ葛根湯はマオウとカンゾウが入っているため、飲み合わせが悪い薬が存在します。

マオウによる交感神経増強
不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等があらわれやすくなるので、下記の薬剤と併用する場合は減量するなど慎重に投与しなければいけません。

・マオウ含有製剤
・エフェドリン類含有製剤(咳止め)
・モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
・甲状腺製剤
チラーヂン(チロキシン)
チロナミン(リオチロニン)
・カテコールアミン製剤
アドレナリン製剤
イソメニール(イソプレナリン)
・キサンチン系製剤
テオドール(テオフィリン)
アストフィリン(ジプロフィリン)

カンゾウによる偽アルドステロン症が現れやすくなる
偽アルドステロン症や低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれやすくなるため下記の薬剤との併用に注意しなければいけません。
・カンゾウが入った漢方薬
・グリチルリチンが入った薬(グリチロン)