風邪、咽頭炎や喉頭炎、副鼻腔炎やニキビに処方される抗生物質がルリッド(成分名:ロキスロマイシン)です。

ルリッドはマクロライド系抗菌薬に分類され、細菌の蛋白質が合成されるのを防ぎ、細菌の増殖を抑えます。

ルリッド(ロキスロマイシン)について薬局で患者さんから聞かれることを中心にまとめてみました。

ルリッドのジェネリック医薬品

ルリッド錠は先発医薬品でサノフィというフランスの製薬メーカーから販売されています。

薬価の安いジェネリック医薬品(後発品)はロキスロマイシン錠としてサワイ製薬や日医工から販売されています。

添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は同じとなっています。

効能・効果

ルリッド(ロキスロマイシン)に効果のある細菌と適応症は下記の通りとなっています。

適応菌
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラー リス、アクネ菌、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)

適応症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

ざ瘡とはニキビのことでニキビ治療の内服薬としてはルリッドがよく処方されます。

風邪薬と併用・飲み合わせ

「ルリッドを飲んでいるけど市販の風邪薬と併用していい?」

と聞かれることがありますが風邪薬との飲み合わせは特に問題ありません。

また一緒に服用する場合、間隔をあけなくても効果に影響はでません。

ロキソニン(ロキソプロフェン)と併用・飲み合わせ

「ルリッド(ロキスロマイシン)飲んでるけどロキソンと併用してもいい?」

と質問を受けることがありますが、ルリッド(ロキスロマイシン)とロキソニン(ロキソプロフェン)の相互作用はなく飲み合わせは問題ありません。

成分名が少し似ていますが飲み合わせには影響でません。

テオフィリン・ワーファリンとの飲み合わせ

気管支喘息治療に使われるテオドールなどのテオフィリン製剤や抗凝固薬のワーファリン(成分名:ワルファリン)とルリッドを併用すると、テオフィリンやワルファリンの代謝が阻害され、効きすぎてしまうことが報告されています。

血をさらさらにするワーファリンや気管支拡張薬のテオドール、テオロングを服用している場合は主治医や薬剤師に伝えるようにしてください。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんが服用するケースもありますが、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみOKとなっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること[動物実験(ラット)において臨床用量の約80倍で胎児の外表異常及び骨格異常の発現頻度が対照群に比べ高いとの報告がある。]

引用元 ルリッドインタビューフォーム

また製薬メーカーの資料によると授乳中にルリッドを服用する場合は、授乳を避けることとなっています。

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]

引用元 ルリッドインタビューフォーム

しかし、実際は母乳への移行はごくわずかで授乳を中止しなくても問題ないと臨床では判断されるケースがあります。

製薬メーカーの説明書には少しでも母乳に移行すれば「授乳を中止する」となっていますが実際には問題にならないケースが多くあるのです。

副作用

ルリッドの主な副作用は

ALT(GPT)上昇(0.47%)AST(GOT)上昇(0.36%)好酸球増多(0.27%)下痢(0.16%)胃不快感(0.15%)

となっており副作用の頻度としては決して高くはありません。

まれに発疹が出る場合がありますので、発疹が出た場合は主治医に連絡するようにしましょう。