気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に処方される吸入薬がアドエアディスカスです。

アドエアディスカスについて有効成分や作用機序についてまとめました。

有効成分(LABA+ICS)

アドエアディスカスは気管支を拡張させる成分と、気管支の炎症を抑えるステロイド薬の2種類が配合された吸入薬です。

有効成分働き
サルメテロールキシナホ酸塩気管支拡張
フルチカゾンプロピオン酸エステル気管支の炎症を抑える
(ステロイド) 

フルチカゾンプロピオン酸エステルは吸入ステロイド薬(ICS)で単体の薬剤ではフルタイド(ディスカス、ロタディスク、エアゾール)が存在します。

1回吸入に含まれるフルチカゾンプロピオン酸エステルの量によって、アドエア100ディスカスアドエア250ディスカスアドエア500ディスカスと3つの規格が存在します。

サルメテロールキシナホ酸塩は長時間作用性β2刺激薬(LABA)と呼ばれ単体の薬剤ではセレベントとして存在します。

LABA(読み方:ラバ)は「long acting β2 agonist」の頭文字をとったものです。

効能効果

アドエアディスカスの効能・効果です。

  1. 気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
  2. 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)

2に適応があるのが、アドエア250ディスカスのみとなっています。

作用機序(メカニズム)

気管支喘息時は気道が炎症を起こし、気道が狭くなっています。

アドエアに含まれるフルチカゾンプロピオン酸エステルは気道の炎症を抑え、サルメテロールが気管支のアドレナリンβ2受容体を刺激することで気管支を拡張させます。

気管支拡張作用は12時間持続することから通常は1日2回で使用します。

発作時に使用できる?

喘息発作の時には短時間作動型の気管支拡張薬が使われます。
アドエアに含まれる気管支拡張薬は長時間作動型に分類され、急性の発作時には適さない薬剤です。

吸ってる感じがしないけど大丈夫?

アドエアディスカスの1回分の吸入は少量のドライパウダーとなっています。
そのため吸った感覚がしないと訴える方もいらっしゃいます。

吸入後うがいをする理由

吸入後うがいをする理由ですが、ステロイドの副作用を防止するためです。

ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルが口の中に残ると、口腔カンジダ嗄声(させい)といった声のかすれが現れることがあります。

そのため口の中を「クチュクチュ」、のどを「ガラガラ」うがいするのが理想ですが、のどをガラガラうがいできない場合は口の中を洗い流すだけでも問題ないとされています。

どうしてもうがいや口の中を洗い流すことができない場合は飲み物を摂取するだけでも、口の中に薬剤が残ることを防止できます。