目の痒みや充血などアレルギー性結膜炎に処方される目薬がインタール点眼液です。

インタール点眼液には防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)の入っていない1回使い切りタイプのインタール点眼液UDというタイプも存在します。

インタール点眼液について作用機序やコンタクトレンズの上からの使用、妊娠、授乳中の使用についてまとめました。

有効成分(インタール点眼液・インタール点眼液UD)

インタール点眼液と1回使い切りタイプのインタール点眼液UDには1ml中に抗アレルギー薬のクロモグリク酸ナトリウムが20mg入っています。

インタール点眼液は1本あたり5ml、インタール点眼液UDは1本あたり0.35ml入っています。

作用機序(メカニズム)

作用機序について説明する前にアレルギーが起こるメカニズムについて説明します。

花粉やほこりなどのアレルゲンが体内に入ると、体は外敵とみなし攻撃をスタートします。

この攻撃が過剰になるとアレルギー症状がでてしまいます。

花粉症は即時型(Ⅰ型)アレルギーと言われ、体の中にアレルゲンが入ると血液中のIgE抗体と結合します。

すると外敵を攻撃するために肥満細胞からヒスタミンロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出されます。

これらの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)によって目のかゆみや充血が引き起こされてしまいます。

インタール点眼液は肥満細胞から、ヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)の遊離を抑えることで抗アレルギー作用を示します。

コンタクトレンズの上から点眼可能?

製薬メーカーの説明書(添付文書)にはコンタクトレンズ装着時の注意点の記載はありません。

しかし、インタール点眼液の防腐剤に含まれるベンザルコニウム塩化物がコンタクトレンズに吸着し、角膜障害を引き起こすことが報告されています。

そのため薬学的にはコンタクトレンズを外して点眼することが望ましいと考えます。

Drによってはワンデイの使い捨てのソフトコンタクトレンズの場合は装着して点眼してOKと指導されるケースもあります。

なお、ベンザルコニウム塩化物の入っていないインタール点眼液UDについては防腐剤のベンザルコニウム塩化物が入っていないためコンタクトレンズの上から点眼して問題ないと指導されるケースが多くあります。

ジェネリック医薬品との違い

インタール点眼液には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。

  • クロモグリク酸Na点眼液「日新」
  • シズレミン点眼液
  • トーワタール点眼液
  • ミタヤク点眼液
  • アルギノン点眼液
  • クロモフェロン点眼液
  • クロモリーク点眼液
  • クールウェイ点眼液
  • クモロールPF点眼液
  • クモロール点眼液
  • クロモグリク酸Na点眼液「ファイザー」
  • ノスラン点眼液
  • ルゲオン点眼液

添加物に違いはありますが、有効成分の含有量は全く同じとなっています。

妊娠・授乳中の使用

インタール点眼液の妊婦さんへの使用について、製薬メーカーの資料では下記のようになっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ウサギ、マウス)で母体に毒性があらわれる大量の注射により胎児毒性(胎児吸収、体重減少等)の報告がある。]

引用元 インタール点眼液 インタビューフォーム

インタール点眼液のジェネリック医薬品であるルゲオン点眼液は「3ヶ月未満の妊婦さんには禁忌」となっています。

授乳中については注意書きの記載がなく、点眼液の場合は局所に作用することから「授乳を続けて問題ない」と指導されるケースが多くあります。