緑内障や高眼圧症に処方されるのがタプロス点眼液(一般名:タフルプロスト)です。

タプロス点眼液について作用機序や保管方法、使用上の注意点についてまとめました。

作用機序(メカニズム)

タプロス(タフルプロスト) は房水の排泄を促すことで眼圧を下げる作用があります。

眼圧は房水の産生と排泄によって調整されているのですが、
房水産生が多かったり、房水の排泄が上手くいかなくなると眼圧が上昇してしまいます。

緑内障治療薬は大きく分けて2つに分類されます。

  • 房水の産生を抑える薬
  • 房水の流出を促す薬

房水の流出を促す薬は「流出する経路」によってさらに2つに分類されます。

  • 繊維柱帯-シュレム管経路(主経路)
  • ぶどう膜強膜流経路(副経路)

房水の排泄の割合は繊維柱帯-シュレム管経由の方が高いため、
「主経路」は繊維柱帯シュレム管経由、「副経路」がぶどう膜強膜流経由とされています。

タプロス(タフルプロスト)は房水排泄促進薬の中でも副経路であるぶどう膜強膜流経路に作用する薬です。

もう少し詳しいメカニズムについて説明します。

体内にはPGF2αプロスタグランジンF2α)という物質があり、FP受容体に結合するとぶどう膜強膜流経路の抵抗が減り、房水の排泄が促される点に着目されて開発されました。

タプロス(タフルプロスト)はプロスタグランジンF2αのようにFP受容体に作用し、ぶどう膜強膜経路の抵抗を減らし、房水の排泄を促します。

そのためタプロスはプロスタグランジン関連薬PG薬)と呼ばれます。

防腐剤「ベンザルコニウム塩化物(BAK)」の入っていないタプロスミニ

タプロス点眼液には下記の2つの規格が存在します。

  • タプロス点眼液0.0015% 2.5ML
  • タプロスミニ点眼液0.0015% 0.3ML

タプロスミニ点眼液は防腐剤であるベンザルコニウム塩化物(BAK)が入っていないため、1回で使い切らなければいけません。

タプロスミニ点眼液の使い方ですが、開封後は容器の破損物が入るのを防ぐために1〜2滴捨てて1回1滴を点眼します。

残った薬剤は後で使用せず、捨てるようにしましょう。

保管方法(室温?冷蔵庫?)

規格保管方法
タプロス点眼液0.0015%室温保存
タプロスミニ点眼液0.0015%遮光して2~8℃保存

タプロスミニ点眼液はアルミ包装から開封した場合は6ヵ月以内で使い切らなければいけません。

着色防止のために液を拭き取る

タプロス(タフルプロスト)を点眼し、こぼれた液をそのままにしておくと、付着した場所が黒っぽく変色する「眼瞼色素沈着」の副作用が報告されています。

付着した皮膚にメラニンが増加することが着色の理由です。

そのため、点眼した後はティッシュなどで目の周りを拭くことが推奨されていますが、お風呂に入る前に点眼しお風呂で目の周りの皮膚を洗い流すか、もしくは点眼後に洗顔をするように僕は薬局で指導しています。