関節リウマチ(RA)は免疫の異常により、関節の軟骨や骨が破壊され、関節が動かなくなったり、変形する疾患です。

関節リウマチの第一選択薬がメトトレキサートMTX)です。

中心的な役割という意味の「アンカー」から、メトトレキサートがリウマチ治療薬の中でアンカー薬剤アンカードラッグ)として位置付けられています。

リウマトレックス(メトトレキサート)について作用機序や飲み方、注意するべき副作用について解説していきます。

リウマトレックス・メトトレキサート・メトレート種類

有効成分がメトトレキサートの先発医薬品がリウマトレックスカプセルです。
リウマトレックスは薬価が高いことから、薬価の安いジェネリック医薬品に切り替えを希望する方も多くいらっしゃいます。

ジェネリックには錠剤タイプも存在します。

先発医薬品

  • リウマトレックスカプセル2mg

ジェネリック医薬品

  • メトトレキサートカプセル2mg「トーワ」
  • メトトレキサートカプセル2mg「サンド」
  • メトトレキサートカプセル2mg「サワイ」
  • メトトレキサートカプセル2mg「SN」
  • メトトレキサート錠2mg「タナベ」
  • メトレート錠2mg

リウマトレックス(メトトレキサート)作用機序

リウマトレックス(メトトレキサート)は細胞分裂に必要なDNAを作る際に利用される「葉酸」というビタミンの働きを抑えることで、滑膜の細胞やリンパ球で異常に細胞分裂がおこるのを抑えます。

葉酸は下記のように体内でテトラヒドロ葉酸(THF)に変換されて活性を示します。

  1. 葉酸
  2. ジヒドロ葉酸(DHF)
  3. テトラヒドロ葉酸(THF)

リウマトレックス(メトトレキサート)はDHTをTHFに変換するジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害することでテトラヒドロ葉酸(THF)の生成を抑え、滑膜の細胞やリンパ球での葉酸の働きを抑えます。

関節の中で炎症をおこしている滑膜細胞やリンパ球は増殖が活発になっているのですが、リウマトレックス(メトトレキサート)によって葉酸の働きを抑えることで、炎症細胞が減り、活動も落ち着いていきます。

継続してリウマトレックス(メトトレキサート)を服用することで炎症を徐々に沈め、関節の炎症が治ると考えられています。

リウマトレックス(メトトレキサート)の飲み方

リウマトレックス(メトトレキサート)は1週間に1〜3回に分割して服用し、残りの5〜6日を休薬するのが一般的な飲み方です。
このように間をあけて服用することを間欠投与(かんけつとうよ)といいます。

細胞周期の長い正常細胞への悪影響を極力減らす理由からリウマトレックス(メトトレキサート)は間欠投与が主流となっています。

通常、服用間隔は12時間おきで処方されます。

週1回の場合

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日
    休薬        

週2回の場合

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日
  夕  休薬        

週3回の場合

1日 2日 3日 4日 5日 6日 7日
   夕 朝      休薬     

 

このように12時間間隔で1〜2日間服用し、残りの5〜6日間は休薬するのが一般的な服用方法です。

飲み忘れた場合は一般的には飛ばして次回から決められたタイミングで決められた量を服用することとなっています。

詳しくはこちらに記載しています。

リウマトレックス(メトトレキサート)を飲み忘れた場合の対応は?

飲酒(アルコール)とリウマトレックス(メトトレキサート)の併用

リウマトレックス(メトトレキサート)は肝臓に負担がかかる薬剤のため、アルコールを過剰に摂取すると肝機能障害の副作用が現れやすくなります。

そのためリウマトレックス(メトトレキサート)を服用中はお酒を控えることをオススメします。

血液障害・肺障害・感染症の副作用に注意

リウマトレックス(メトトレキサート)を服用する際に、特に副作用の前駆症状を頭に入れておくことを薬局で指導しています。

肺障害(間質性肺炎)感染症の可能性

  • せき
  • 息切れ
  • 息苦しさ
  • 発熱
  • ひどく疲れやすい

血液障害(骨髄抑制)の可能性

  • 発熱
  • ひどく疲れやすい
  • 口内炎
  • 喉の痛み
  • 吐き気・胃痛・食欲不振
  • 下痢
  • 出血傾向(あざ)

腎機能の低下の可能性

  • 浮腫む
  • 尿の量や回数の変化

上記のような症状があれば主治医に相談するように薬局では指導しています。

葉酸(フォリアミン)が消化器症状・肝機能の副作用の軽減に

リウマトレックス(メトトレキサート)を服用して24〜48時間後に葉酸のフォリアミン錠が処方されるケースがあります。

リウマトレックス(メトトレキサート)は葉酸の働きを抑える作用があるため、増量した際などに消化器症状や肝臓への負担がかかることがあります。

消化器症状や肝機能障害の副作用を予防・軽減する目的でフォリアミン錠が処方されるのです。

日本リウマチ学会では1週間にメトトレキサートが8mg以上で葉酸製剤(フォリアミン)の併用を推奨しています。

リウマトレックス(メトトレキサート)とフォリアミン錠の服用間隔を24〜48時間あける理由は下記に記載しています。

フォリアミン(葉酸)作用機序・メトトレキサートとの併用・間隔

ほうれん草やグリーンアスパラなど葉酸の多く入った食品を控える必要はありませんが、自己判断で葉酸の入ったサプリメントの摂取は避けるようにしましょう。

副作用レスキューにロイコボリン(ホリナートカルシウム)

リウマトレックス(メトトレキサート)を過剰に服用した場合や、腎機能が落ちて排泄が低下した場合などに、血液障害などの重篤な副作用が現れることがあります。

その際に救済療法(レスキュー)として葉酸製剤のロイコボリン(一般名:ホリナートカルシウム)が使われます。

ロイコボリン(ホリナートカルシウム)はフォリアミン(folic acid)と違い活性型の葉酸(folinic acid)です。

フォリアミンはジヒドロ葉酸レダクターゼによって活性型に変換されて効果を発揮しますが、リウマトレックス(メトトレキサート)による副作用発現時にはメトトレキサートの血中濃度が高くなっているため、ジヒドロ葉酸レダクターゼが阻害されフォリアミンが活性型になりません。

そのためリウマトレックス(メトトレキサート)の副作用発生時の軽減目的には活性型葉酸であるロイコボリンが使用されます。

メトトレキサート妊娠を避ける期間(男性・女性)

リウマトレックス(メトトレキサート)は流産や奇形が誘発される可能性があることから、
妊婦さんは服用することができない禁忌(読み方:きんき)となっています。

休薬してから妊娠までの期間ですが、少なくとも1月経周期※が終了するまでは妊娠を避けるようにとされています。

※ 1月経周期とは、月経開始日から次の月経が始まる前日までの期間(一般的には28日)

男性がリウマトレックス(メトトレキサート)を服用している場合、服用中と中止して3ヶ月の間は配偶者の妊娠を避けなければいけません。