自律神経失調症などによる、動悸や頭痛に処方される薬がグランダキシン錠(成分名:トフィソパム)です。

グランダキシン

出典 持田製薬

グランダキシンについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。

効能・効果

グランダキシンの効能・効果は下記の通りです。

下記疾患における頭痛・頭重、倦怠感、心悸亢進、発汗等の自律神経症状

自律神経失調症、頭部・頸部損傷、更年期障害・卵巣欠落症状

引用元 グランダキシン添付文書

 

飲み方・効果がでるまでの時間

薬を服用して最大血中濃度に達するまでの時間をtmax(ティーマックス)と呼ぶのですが、グランダキシンのtmaxは1時間となっています。

グランダキシン(トフィソパム)は服用して1時間で血中濃度が最大になります。

薬が半分に分解されるまでの時間を半減期(はんげんき)というのですが、グランダキシンの半減期は47分となっており、服用1時間後に血中濃度が最大になり、その後47分間隔で薬の濃度が半分に分解されていきます。

12時間経つと体から消失されるため、1日3回毎食後の間隔で服用します。

作用機序

グランダキシン(トフィソパム)はベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬で、脳にあるベンゾジアゼピン系受容体に作用することで、交感神経と副交感神経のバランスを整え、また神経の過度な興奮を抑える働きがあります。

デパス(エチゾラム)とグランダキシン(トフィソパム)の違い

グランダキシンと同じベンゾジアゼピン系の薬にデパス(成分系:エチゾラム)というお薬があります。

デパスはグランダキシンに比べて、抗不安作用筋弛緩作用強いと言われています。

また薬が分解される時間はデパスの方が長いことから、持続時間はデパスの方が長いといえます。

薬品名デパスグランダキシン
成分名エチゾラムトフィソパム
tmax3.3時間1時間
半減期
t1/2
6.3時間 47.1分

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんについて製薬メーカーの説明書によると、「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」となっています。

妊婦(3カ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]

引用元 グランダキシン錠インタビューフォーム

また妊娠後期についても同様に「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」となっています。

妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。 なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]

引用元 グランダキシン錠インタビューフォーム

また授乳中の服用に関してですが、製薬メーカーの説明書では「授乳を避けること」となっています。

授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。 [動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが認められている。]

依存性はある?

グランダキシン錠には頻度は不明ですが「依存性」があるとなっています。
他のベンゾジアゼピン系薬剤で依存性が報告されていることから、グランダキシン錠を大量に長期に連用しないように注意しなければいけません。

市販では売っている?

グランダキシン錠の有効成分「トフィソパム」が入った市販薬は販売されていません。必ず医師の指示の元、処方してもらうようにしましょう。

ロキソニン(ロキソプロフェン)との飲み合わせは?

「解熱鎮痛剤のロキソニン(ロキソプロフェン)と一緒に飲んでいい?」
薬局でも時々聞かれることがあります。

グランダキシン錠と飲み合わせの悪い解熱鎮痛剤はないため、ロキソニンとも併用は問題ありません。

お酒(アルコール)との併用

グランダキシン錠とお酒(アルコール)は併用すると眠気やふらつきなどが強く現れることがあるため「併用注意」とされています。

絶対に併用してはいけない「禁忌(きんき)」ではありませんが、お酒を服用する場合はふらつきや眠気の増強に注意するようにしましょう。