風邪や気管支炎などに咳止めとして処方されるのがフスタゾール糖衣錠(成分名:クロペラスチン)です。

フスタゾール

出典 田辺三菱製薬

 

強力に咳を抑える作用に加え、少しだけ気管支を広げる作用もあり、ひどい咳の時に処方されます。

フスタゾールについて薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめてみました。

作用機序・咳に効果のある理由・強さ

フスタゾール配合錠は非麻薬性の咳止めです。

咳の原因は咳中枢が反射することで起こるのですが、有効成分であるクロペラスチンが咳の原因となる咳中枢を抑えることで咳を鎮めます。

その抑制効果は臨床的にはリン酸コデインと呼ばれる麻薬性の咳止めと同じくらい強力と言われています。

効果がでるまでの時間・持続時間

一般的に咳を抑える効果は服用して20~30分で現れ3~4時間持続します。

そのため1日3回朝、昼、夜くらいの間隔で服用するのが通常の飲み方となっています。

効かない?

「フスタゾールを飲んでも効かない」

といった相談を受けることがあります。

フスタゾールは強い咳止めであることから感冒(風邪)の時は非常に高い確率で効果があります。

製薬メーカーが発表している有効率は下記の通りです。

疾患名有効率
感冒(風邪)85.4%
急性気管支炎77.8%
慢性気管支炎66.7%
気管支拡張症66.7%
肺結核66.7%
肺癌72.7%

 

飲み合わせ・併用

フスタゾールは抗生物質のクラリス(成分名:クラリスロマイシン)やメイアクト(成分名:セフジトレンピボキシル)、去痰薬のムコダイン(成分名:カルボシステイン)と併用されることがありますが、飲み合わせは全く問題ありません

フスタゾールは飲み合わせの悪い薬はありませんが、同じ咳止めと一緒に飲む場合は眠気や口の渇きが強くでてしまうことがあります。

妊娠中・授乳中の服用

「妊娠中だけどフスタゾール飲んでいい?」
「授乳中だけど中止しなくていい?」

といった質問を受けることがありますが、フスタゾールは妊婦さんや授乳中に対する注意書きがないことから処方されるケースはあります。

副作用で眠気はでる?

副作用の頻度は不明ですが、フスタゾールの副作用は下記の通りです。

眠気、悪心,食欲不振,口渇

眠気の副作用も報告されていますが、他の咳止めのメジコンのように車の運転は避けないといけない薬ではありません。