神経の痛みに処方される薬がリリカカプセル(一般名:プレガバリン)です。
リリカカプセルについて薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
効能・効果は?
リリカカプセルの効能・効果です。
神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛
帯状疱疹後神経痛・糖尿病性神経障害にも効果あり
神経障害性疼痛には下記のようなケースがあります。
・帯状疱疹後の神経痛
・糖尿病性末梢神経障害に伴う疼痛
・脊髄損傷による痛み
・脳卒中後の疼痛
・多発性硬化症に伴う疼痛
作用機序
神経が障害されることで感じる痛みのメカニズムについて説明します。
神経細胞には神経細胞内にカルシウム(Ca)を取り込むカルシウム(Ca)チャネルが存在します。
カルシウムが神経細胞内に取り込まれると神経が過剰に興奮し、神経伝達物質(グルタミン酸など)を放出し、痛みを感じます。
リリカ(プレガバリン)はカルシウム(Ca)チャネルのα2δ蛋白という部分に結合し、神経細胞内にカルシウムが取り込まれるのを減少させるため、神経の興奮を抑え、痛みを和らげる働きがあります。
またリリカ(プレガバリン)には下行性疼痛抑制系に作用することもわかっています。
下行性疼痛抑制系への作用についてはノイロトロピン錠の作用機序を参考にしてください。
効果がでるまでの時間(即効性)は?
服用して血中濃度が最大に達する時間(Tmax)は1時間と速やかに効果を示します。
実際に痛みには服用して1週目から効果が実感できるといわれています
妊娠・授乳中の服用はできる?
リリカは妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与すること」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験で、胎児異常(低体重、限局性浮腫の発生率上昇、骨格変異、骨化遅延等)、出生児への影響(体重低下、生存率の低下、聴覚性驚愕反応の低下、発育遅延、生殖能に対する影響等)が報告されている。
引用元 リリカインタビューフォーム
また授乳中は「授乳を中止」しなければいけません。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。(本剤はヒト母乳中への移行が認められている。)
引用元 リリカインタビューフォーム
自動車の運転はできますか?
リリカを服用によりめまい、傾眠、意識消失等があらわれ、自動車事故に至ったケースもありましたので「自動車の運転など機械の操作には従事させないこと」となっています。
リリカは腎臓から排泄される薬であることから、腎機能の低下した高齢者は副作用のふらつきが強く現れることがあります。特に高齢者には自動車の運転だけでなく、転倒による骨折にも注意しなければいけません。
痛みが治ったら中止していいですか?
リリカを長期間服用し、急に中止した場合、、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症等といった離脱症状が現れることがあります。
中止するときは最低でも1週間はかけて徐々に減量しなけれないけません。
副作用で太りますか?浮腫は副作用?
リリカの副作用で体重増加が報告されています。
体重が増えるようなら食事や運動療法などの対応が必要となります。定期的に体重を測り、体重の変化をこまめにチェックしましょう。
また副作用で浮腫が現れることがありますので、浮腫がある場合は主治医に伝えるようにしましょう。
アルコール(お酒)は飲んでいい?
リリカとアルコールは「併用注意」となっています。
リリカを服用中にアルコールを摂取することで、ふらつきが強く現れたり、記憶が飛ぶなどの症状が現れることがあります。
リリカを服用中は大量の飲酒は避け、摂取する場合はふらつきなどの副作用増強に注意してください。