生魚を食べた後に、胃や腸などに激痛が走る・・。

このように生魚を食べた後に激しい腹痛が起こった場合、寄生虫の「アニサキス」による可能性が高いと考えられます。

芸人の渡辺直美さんをはじめ、芸能人がアニサキスが原因で食中毒になったと発表して話題になったことから、アニサキスによる食中毒をご存知の方も多いかと思います。

アニサキスによる食中毒は正しい知識をつけることで予防することが可能です。

「せっかく美味しい魚介類を食べたのに、痛い目にあった・・・」

なんてことのないようにアニサキス症予防対策について解説していきます。

アニサキスとは?サンマ・アジ・ブリ・イカに寄生

アニサキスはサンマブリアジサバイカタラサケなどの魚介類の内臓表面に寄生します。

一般的には魚が死亡すると内臓から筋肉に移動するといわれています。

アニサキスの特徴(色・大きさ)

  • 白色
  • 長さ:2〜3cm
  • 幅:0.5〜1mm

アニサキスはミミズを白くて細くしたような寄生虫です。

アニサキス症の分類と治療薬

生きたアニサキスを食べることで、アニサキスが人間の胃や腸に穴をあけるように潜り込みます。
そのため胃や腸に激痛が走ります。

アニサキスが潜り込んだ場所が胃か腸かで症状や治療法が異なります。

アニサキスを駆除する薬はないため、胃の場合は内視鏡を使って駆除、腸の場合はアニサキスが自然に死亡するのを待ち、痛みを抑えたり、点滴などでの対症療法となります。

アニサキスは一般的には1週間前後で自然に死滅するといわれています。

 急性胃アニサキス症急性腸アニサキス症 
 症状摂取後2〜9時間後
上腹部の持続する激しい痛み
嘔吐・悪心 
摂取後8〜48時間後
下腹部の激しい痛み
嘔吐・悪心
まれに腸閉塞・腸穿孔(ちょうせんこう)
治療 内視鏡によりアニサキスを摘出 アニサキスの死亡を待つ(1週間)
対症療法(絶食・点滴・鎮痛剤・鎮痙剤)

またアニサキスによるアレルギーもあり、摂取してから10分〜数時間後に蕁麻疹や血管の浮腫といったアレルギー症状を引き起こすケースもあります。

アニサキス予防・対策

アニサキスは正しい知識があれば予防することができます。
以下にアニサキス対策をピックアップします。

  • 加熱する
    60°C以上で1分、70°C以上で瞬時に死滅
  • 冷凍処理をする
    マイナス20°C24時間以上
  • 内臓は取り除き、生で内臓は食べない
  • 魚を購入したら内臓をまず取り除く
  • 生で魚を食べる際はアニサキスがいないか確認
現役薬剤師Yu現役薬剤師Yu

アニサキスは正しい知識があれば予防することができます。

もし生の魚介類を摂取してお腹が激しく痛む場合は、アニサキス症を疑い速やかに医療機関を受診するようにしましょう。