風邪や細菌感染時に処方される抗生物質がワイドシリン細粒(成分名:アモキシシリン)です。

溶連菌の時は10日間処方されるので、粉薬が苦手なお子さんだと苦労されるかと思います。

ワイドシシンの味や混ぜるとよいもの、副作用について現場でよく質問されることをまとめてみました。

ワイドシリンとサワシリンの違い

ワイドシリン細粒と同じ成分のアモキシシリンが入った抗菌薬がサワシン細粒です。
サワシリン細粒は1g中にアモキシシリンが100mg入った10%のみとなっていますが、ワイドシリンには10%と20%のタイプが存在します。

そのため1回に飲む量が多い場合はサワシリン細粒10%よりワイドシリン細粒20%が使われる傾向にあります。

ワイドシリンの種類・味

ワイドシリン細粒には10%と20%のものがあります。

ワイドシリン10%の味

ワイドシリン10

出典 明治製菓ファルマ

ワイドシリン10%にはアモキシシリンという有効成分が1g中に100mg含まれています。
オレンジ色がついており、味はミックスフルーツ味となっています。

ワイドシリン20%の味

ワイドシリン20

出典 明治製菓ファルマ

ワイドシリン20%にはアモキシシリンという有効成分が1g中に200mg含まれています。
ピンク色がついており、味はミックスフルーツ味となっています。
ワイドシリン10%と同じ味ですが、若干違いはあります。

先発品のサワシリンには10%のものしかなく、1回に服用する量が多いことから、1回飲む量を減らすためにワイドシリン20%が処方されることが多くあります。

混ぜるとよいものは?(飲ませ方)

水、オレンジジュース、リンゴジュース(100%のものは避ける)、牛乳、アイスクリームなどが相性がよいです。
ミックスフルーツ味がついていますが、薬独特のにおいがありますので、水で飲み辛いお子さんには甘味の強いアイスクリームや練乳などに混ぜるのがオススメです。

副作用は?

軟便が13.7%、下痢が9.1%と軟便・下痢が最も多く報告されています。
あとは、1~5%の確率で肝機能が少し悪くなったり、1%未満で嘔吐や食欲不振などが報告されています。

まれに発疹も報告されています。

下痢の時の対応

ワイドシリンは非常に高い確率で軟便や下痢がでてしまいます。
多少の下痢であれば、自己判断で中止はしないようにしましょう。

もし水のように透明の下痢が続くようであれば、中止となる可能性がありますので主治医や薬剤師に相談してみてください。

眠気の副作用はでる?

ワイドシリンの副作用で眠くなることはありません。

食後に飲めない場合

食事が摂れない場合は、無理に食後に飲ませなくても大丈夫と考えられます。
胃に負担もかかりにくく、また食後でも空腹時に服用しても効果に変わりはないからです。

以下に製薬メーカーの資料を抜粋します。

健康成人(n=12)に250mg(力価)を食後又は空腹時に経口投与したとき、血清中濃度の ピークはいずれも2時間後に見られ、それぞれ4.7及び5.2μg/mLで以後漸減し、6時間後にはそれぞれ0.5、0.4μg/mLの値を示した。 また、500mg(力価)を食後経口投与したときの血清中濃度のピークは3時間後に見られ7.4μg/mL を示し、空腹時の血清中濃度 7.6μg/mL とほとんど変わりなかった

引用元 ワイドシリン インタビューフォーム

 

もう少し詳しく知りたい方へ

ワイドシリンの適応菌・適応症、用法・用量について説明致します。

適応菌・適応症

適応菌
ワイドシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ

適応症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及 び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎 、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、 子宮旁結合織炎、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰 瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

用法・用量(小児)

アモキシシリン水和物として、通常1日20~40mg(力価)/kg を3~4回に分割経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg(力価)/kg を超えないこと。

ワイドシリン10%には1gあたりアモキシシリン水和物が100mg、ワイドシリン20%には1gあたりアモキシシリン水和物が200mg含有されています。