花粉やハウスダストなどのアレルギー性鼻炎に処方される鼻炎薬にザジテン点鼻薬があります。

ザジテン点鼻液について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。

ジェネリック医薬品

ザジテン点鼻液には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。

  • ケトチフェンネーザル0.05%「TYK」
  • ケトチフェン点鼻液0.05%「CH」
  • ケトチフェン点鼻液0.05%「サワイ」
  • スプデル点鼻液0.05%
  • セキトン点鼻液0.055%
  • フサコール点鼻液0.05%
  • マゴチフェン点鼻液0.05%
  • ケトチフェン点鼻液0.05%「TOA」
  • ケトチフェン点鼻液0.05%「ファイザー」

先発品のザジテン点鼻液と比較して、添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果はまったく同じとなっています。

作用機序(メカニズム)

アレルギー症状は、体に侵入した花粉やハウスダストなどに対して免疫が過剰に反応することでおこります。

花粉やハウスダストなどの異物が体内に入ると、マスト細胞といわれる場所からヒスタミンなどの鼻水や鼻づまりを引き起こす化学伝達物質が放出されます。

ザジテン(ケトチフェン)はヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるのを抑える抗アレルギー作用と、ヒスタミン自体の働きを抑える抗ヒスタミン作用があり、鼻水や鼻づまりを軽減する作用があります。

使用方法・回数

ザジテン点鼻液の使用方法について説明します。

※開封して最初に使用するときのみ5回空噴霧してください。

①ティッシュで鼻をかんで鼻の通りをよくします
②顔を少しうつむかせ、容器を鼻にいれます
③鼻から軽く息を吸いこみながら噴霧します
④もう片方の鼻にも同様に使用します
⑤噴霧後は数秒間少し顔をあげ鼻の奥に薬がいきわたるようにします
⑥容器の先をティッシュなどでふき取り室温で保管します

通常の用法・用量は下記の通りです。

通常1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)、1回各鼻腔に1噴霧(ケトチフェンとして 0.05㎎)ずつ、本剤専用の鼻用定量噴霧器を用いて噴霧吸入する。

 

子供への使用

ザジテン点鼻液の子供への使用については

低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)

とされており、6歳以下の使用経験は十分とはいえません

そのため、7歳以上から投与される傾向にあります。

妊娠・授乳中の使用

妊婦さんについて製薬メーカーの説明書では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。〔妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。〕

また母乳中にもわずかに薬が移行すると報告されています。

ザジテンの経口投与で乳汁中に移行することが報告されており、点鼻液もわずかに循環血へ取り込まれるため、新生児に授乳した場合、本剤の影響を受ける可能性がある。

そのため授乳中に使用する場合は「授乳を避けること」となっています。

授乳中の婦人には使用することを避け、やむを得ず使用する場合には授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕

引用元 ザジテン点鼻液 添付文書

 

眠気の副作用はでる?

ザジテン点鼻液は鼻に使用する薬ですが、体内にわずかに吸収されるため、確率は低いですが副作用で眠気がでることが報告されています。

総例6,681例中何らかの副作用が報告されたのは98例(1.5%)であった。主な副作用は眠気(1.0%)、鼻乾燥感(0.2%)、鼻刺激感(0.2%)等であった。

引用元 ザジテン点鼻薬インタビューフォーム

 

市販のザジテン点鼻液との違い

ザジテン点鼻液の有効成分であるケトチフェンが入った同じ濃度入った市販薬が販売されています。

薬品名有効成分
ザジテンAL鼻炎スプレーαケトチフェンフマル酸塩(医療用と同じ濃度)
ザジテンAL鼻炎スプレーαクールケトチフェンフマル酸塩(医療用と同じ濃度)
添加物にメントール
パブロン点鼻クイックケトチフェンフマル酸塩(医療用と同じ濃度)
ナファゾリン塩酸塩(血管収縮剤)

ザジテン点鼻液とまったく同じ使用感をもとめたいならザジテンAL鼻炎スプレーα、爽快感を味わいたいならメントールの入ったザジテンAL鼻炎スプレーαクール、鼻づまりがひどい場合は血管収縮剤の入ったパブロン点鼻クイックがよいでしょう。

血管収縮剤については長期間の使い過ぎが問題になりますので、必要最低限の期間にとどめておくことをお勧めします。

血管収縮薬の危険性についてはこちらに記載しています。

市販の点鼻薬の使いすぎに注意・血管収縮薬の入った薬