ビタミンB不足による神経や筋肉の痛みに処方される薬がノイロビタン配合錠です。

ノイロビタン配合錠について作用機序や効能・効果、薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。

有効成分

ノイロビタンの有効成分にはビタミンB1,B2,B6,B12が配合されています。
含有量は下記の通りです。

有効成分含有量
オクトチアミン
ビタミンB1
25mg
リボフラビン
ビタミンB2
2.5mg
ピリドキシン塩酸塩
ビタミンB6
40mg
シアノコバラミン
ビタミンB12
0.25mg

 

作用機序(メカニズム)

ノイロビタンはビタミンBの配合剤です。
単独で投与するよりも、配合した方がそれぞれの効果が高まり相乗効果を発揮します。

有効成分作用機序
オクトチアミン
ビタミンB1
神経機能の維持
エネルギー代謝に関与
リボフラビン
ビタミンB2
ビタミンB1投与によるビタミンB2減少補完の目的
ピリドキシン塩酸塩
ビタミンB6
エネルギー代謝に関与
神経伝達物質の代謝に関与
シアノコバラミン
ビタミンB12
神経細胞の修復に関与 

 

フルスルチアミン(ビタミンB1)作用機序

ビタミンB1は神経機能の維持エネルギー代謝に関わる栄養素です。

ビタミンB1が不足すると脚気(かっけ)、疲労、イライラなどを感じるようになります。

リボフラビン(ビタミンB2)配合目的

ビタミンB1をを大量に服用すると血液中や臓器のビタミンB2が減少することが報告されています。
ビタミンB2を配合するのはビタミンB1によるビタミンB2の減少を補完する目的があると考えられます。

ピリドキサールリン酸エステル(ビタミンB6)作用機序

ビタミンB6はエネルギー代謝神経伝達物質の代謝に関わる栄養素です。

特にタンパク質がエネルギーとして使用される過程での補酵素(酵素の働きを助ける)として機能します。
ビタミンB6が不足すると粘膜・皮膚・神経の炎症などが生じます。

ヒドロキソコバラミン(ビタミンB12)作用機序

ビタミンB12は神経細胞を修復する働きがあります。

神経細胞は核酸やアミノ酸などで構成されるのですが、核酸やアミノ酸の生成にビタミンB12が関与するためです。
またビタミンB12は葉酸と共に血液のヘモグロビン合成を助ける働きもあります。

ビタミンB12 が不足すると、手足のしびれや、痛み、貧血などが生じます。

効能・効果

ノイロビタンの効能・効果は下記の通りです。 保険で処方が可能なのが下記の疾患の場合のみとなります。

本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)

下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・神経痛
・筋肉痛・関節痛
・末梢神経炎・末梢神経麻痺

 

おしっこが黄色く変色する?

ノイロビタンを服用すると尿が黄色に変色することがあります。
ビタミンB2の色ですので問題はありません。

妊娠・授乳中の服用は?

ノイロビタンは妊婦さんや授乳中でも処方されるケースがあります。
授乳中でも授乳を中止することなく服用が可能と考えられます。

ジェネリック医薬品はある?

ノイロビタンのジェネリック医薬品は販売されていません。

犬やネコなど動物にも処方される?

動物病院でもビタミンの補給目的でノイロビタンを処方されることがあります。
作用機序(メカニズム)は人間と変わりありません。