末梢血管を拡張し、血流の流れを改善したり、コレステロールの低下、高血圧症に用いられるのがユベラNカプセル100mgやユベラNソフトカプセル200mgです。

ユベラNについて作用機序や特徴についてまとめました。

有効成分

ユベラNにはカプセル100mg、ソフトカプセル200mg、細粒の3つの規格が存在します。

有効成分の「トコフェノールニコチン酸エステル」はビタミンEdl‒α‒トコフェロール)とニコチン酸を結合させたもので、それぞれを単独で投与するよりも安定して効果を発揮するのが特徴です。

1カプセル(1g)あたりの有効成分量は下記の通りです。

薬品名1カプセル(1g)中
ユベラNカプセル100mgトコフェロールニコチン酸エステル
100mg 
ユベラNソフトカプセル200mgトコフェロールニコチン酸エステル
200mg
ユベラN細粒40%トコフェロールニコチン酸エステル
400mg 

トコフェロールニコチン酸エステルは別名「ビタミンEニコチン酸エステル」や「ニコチン酸dl‒α‒トコフェロール」と呼ばれます。

効能・効果

ユベラNの効能・効果です。
下記の症状の場合に保険での処方対象となります。

下記に伴う随伴症状
高血圧症
高脂質血症

下記に伴う末梢循環障害
閉塞性動脈硬化症

 

作用機序

ユベラN(トコフェロールニコチン酸エステル)はコレステロールを低下させたり、末梢血管を広げることで血流を良くし、血管を強くしたり、血管内で血が固まるのを防止する作用があります。

具体的に主に下記の5つの作用があります。

  • 脂質代謝改善作用
  • 微小循環系賦活作用
  • 血管強化作用
  • 血小板凝集抑制作用
  • 血中酸素分圧上昇作用

ユベラNはコレステロール異化・排泄を高めることで総コレステロールを低下させたり、過酸化脂質中性脂肪TG)を低下させ、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)を高めます。

また末梢血管の平滑筋に作用し血管を広げることで血流を良くしたり、血小板凝集抑制作用といって血管内で血栓ができるのを抑えたり、血管を強くする作用もあります。

空腹時で吸収低下・食後に服用

ユベラNは食後に服用した方が空腹時に比べて最高血中濃度が30倍近く高くなることが報告されています。
食後で処方されている場合は空腹時の服用は避けて、何か食べて服用する方がよいでしょう。

ジェネリック医薬品の違いは?

ユベラNカプセル、ユベラNソフトカプセルには薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は同じ薬となっています。

ユベラNカプセル100mgのジェネリック医薬品

  • トコフェロールニコチン酸エステルカプセル100mg「NP」
  • バナールNカプセル100mg

ユベラNソフトカプセルのジェネリック医薬品

  • NEソフトカプセル200mg
  • トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg「YD」
  • トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg「サワイ」
  • トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg「日医工」
  • ニコ200ソフトカプセル

ユベラN細粒にはジェネリック医薬品は存在しません。

ユベラ錠とユベラNの違い

ビタミンEの飲み薬にユベラ錠(成分名:dl‒α‒トコフェロール)があります。
ユベラ錠は合成のビタミンE(dl‒α‒トコフェロール)が主成分となっており、
ユベラ錠は末梢循環障害やビタミンE欠乏症に処方されます。

ユベラ錠のビタミンE(dl‒α‒トコフェロール)にニコチン酸を結合させたのがユベラN(ニコチン酸dl‒α‒トコフェロール)です。

そのためユベラとユベラNの効能・効果に違いがあります。

薬品名効能・効果
ユベラ

・ビタミンE欠乏症の予防及び治療
・末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿病性網膜症、凍瘡、 四肢冷感症)
・過酸化脂質の増加防止

ユベラN・下記に伴う随伴症状
高血圧症
高脂質血症

・下記に伴う末梢循環障害
閉塞性動脈硬化症