2型糖尿病治療薬で、膵臓からインスリンの分泌を促進させる薬がアマリール(一般名:グリメピリド)です。

アマリールは数多くのジェネリック医薬品が販売されていますので「グリメピリド錠」という名前で処方される方も多いのではないでしょうか。

アマリール(グリメピリド)を処方される方からよく聞かれる質問が

「飲み忘れた場合はもう一回飲んでいい?」
「低血糖はどんな症状?」

といった「飲み忘れ」や「低血糖」に関する質問です。

アマリールについて薬局で相談される内容をまとめました。

飲み方(食前・食後とは?)

アマリール(グリメピリド)は食前または食後に服用する薬です。

食前とは「食事の30分前」、食後とは「食事の30分後」をいいます。

コップ1杯のお水やぬるま湯で服用するようにしましょう。

また朝食を摂らずに薬を服用すると低血糖のリスクがあがりますので、極力何か食事を摂るようにしましょう。

飲み忘れた場合の対応

アマリールを飲み忘れてしまった場合、基本的には「飲み忘れ分はとばして次回から正しく服用すること」とされています。

食後時間が経ってから服用すると、血糖値が上昇していない状態でインスリンが効いてしまい低血糖になる可能性があるからです。

また2回分を同時に服用するのも、低血糖を防ぐためにも絶対に避けるようにしましょう。

主治医から特別指示がある場合はそちらに従うようにしてください。

低血糖症状とは?対応

アマリール(グリメピリド)を服用すると、まれに血糖値が下がりすぎる「低血糖状態」に陥ることがあります。

具体的な低血糖の症状は、

「強い空腹感、冷や汗がでる、手足が震える、ふらつき」

など。

このような症状の場合、ブドウ糖(5〜10g)、または砂糖(10〜30g)を摂取するようにしてください。

もしαグルゴシダーゼ阻害薬呼ばれる薬を併用している場合は、砂糖が吸収されませんのでブドウ糖を摂取するようにしてください。

  • ベイスン(一般名:ボグリボース)
  • グルコバイ(一般名:アカルボース)
  • セイブル(一般名:ミグリトール)

ブドウ糖がない、分からない場合は清涼飲料水を一気に飲むようにしてください。

ブドウ糖を含む清涼飲料水

清涼飲料水ブドウ糖量
コカコーラ
350ml
約13g
ファンタグレープ
350ml
約20g
ファンタオレンジ
350ml
約19g
スプライト
350ml
12g
ポカリスエット
350ml
5.6g
オロナミンC
120ml
3.89g

 

シックデイ時の対応(風邪・下痢・嘔吐)

糖尿病治療中の方が風邪などの病気にかかると血糖値が大きく変動することがあります。

病気になるとストレスホルモンが分泌され、インスリンの働きが弱り、高血糖になることがありますが、下痢の時や、悪心や吐き気で食事が摂れない時は低血糖症状が起こりやすくなります。

このように糖尿病患者さんが病気になると血糖値の管理がより大事になることから、病気にかかる時をシックデイSick Day)と名付け「注意する期間」とされています。

シックデイで食事が摂れない時にアマリールを服用すると低血糖になる可能性がありますので、食事を摂れない場合は薬の服用を飛ばすケースもあります。

シックデイ時の対応について予め主治医や担当の薬剤師に確認しておきましょう。