閉経後の骨粗鬆症治療に処方される薬がビビアント錠(一般名:バゼドキシフェン酢酸塩)です。

閉経によってエストロゲン(女性ホルモン)が低下すると骨を吸収する破骨細胞の働きが活発になるのですが、ビビアントは破骨細胞の働きを抑えることで骨密度を増加させたり骨折を抑制します。

ビビアントについて作用機序や特徴、薬局で質問を受ける内容をまとめました。

有効成分

ビビアント錠は1錠中にバゼドキシフェン酢酸塩が20mg含有されています。

作用機序(メカニズム)

閉経後は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下します。
エストロゲンは骨密度を低下させる「破骨細胞」の働きを抑える作用があります。

ビビアント錠(バゼドキシフェン酢酸塩)は骨ではエストロゲンのように作用し、破骨細胞の働きを抑え骨折を予防します。

一方で子宮や乳腺でエストロゲンのように働いてしまうと乳がんなどの原因となってしまうのですが、ビビアント錠は子宮や乳腺ではエストロゲンの働きを抑え悪影響を与えにくいのが特徴です。

このように骨ではエストロゲン作用を示し、子宮や乳房では抗エストロゲン作用を示すことから選択的エストロゲン受容体モジュレーターSelective Estrogen Receptor Modulator(SERM:読み方サーム)と呼ばれます。

同じSERMとしてエビスタ錠という薬があります。

用法・用量(飲み方)

ビビアント錠の用法・用量は下記の通りです。

通常、バゼドキシフェンとして、1日1回20mg(1回1錠)を経口投与する。

「食事」の影響を受けないため食後に関わらず処方されることがあります。

抜歯しても大丈夫?顎骨壊死は?

「ビビアント服用中だけど抜歯は大丈夫?」
と薬局で聞かれることがあります。

骨粗鬆症治療薬の中でビスホスホネート系と呼ばれる薬を服用中に抜歯をすると顎の骨が壊死する確率が上がってしまうため、抜歯は避けることとされています。

ビビアントはビスホスホネート系ではないため抜歯の影響はありません。

ビスホスホネート製剤についてはこちらにまとめられています。

ビスホスホネート(BP)一覧と有効性の違い(内服・注射)

血栓症が疑われる場合は主治医に相談を

ビビアントの副作用でまれに「血栓症」が起こることがあります。

下記のような初期症状が現れた場合、すぐに主治医に相談するようにしましょう。

  • 足の痛み・むくみ
  • 突然の呼吸困難
  • 息切れ
  • 胸の痛み
  • 急な視力低下