食事が十分に摂れない場合などパントテン酸が不足している際に処方されるのがパントシンです。

パントシンの有効成分はパンテチンでビタミンB5とも呼ばれます。

パントシンは脂肪の代謝を促進させることから、パントテン酸不足による「高脂血症」に効果がありますが「便秘」の際にも処方されることがあります。

パントシンが便秘を改善するメカニズム(作用機序)や特徴をまとめました。

効能・効果(弛緩性)

パントシンの効能・効果です。

1. パントテン酸欠乏症の予防及び治療
2. パントテン酸の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給 (消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦など)
3. 下記疾患のうち、パントテン酸の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
・高脂血症
・弛緩性便秘
・ストレプトマイシン及びカナマイシンによる副作用の予防及び治療
・急・慢性湿疹
・血液疾患の血小板数ならびに出血傾向の改善

このように効能・効果はたくさんありますが「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」にも適応があります。

弛緩性便秘とは日本人に最も多い便秘で、主に大腸の運動(蠕動運動)が低下することで生じる便秘のことです。

便が硬くなったり、お腹が張るといった症状がでてきます。

作用機序(メカニズム)

弛緩性便秘は腸の蠕動運動が低下することが主な原因でおこります。

パントシン(パンテチン)は腸の運動を促すことで便秘を改善する作用があります。

用法・用量(飲み方)

弛緩性便秘には、通常パンテチンとして1日300~600mgを1~3回に分けて服用します。

酸化マグネシウムと併用される?

便が硬い場合に腸内の水分量を増やして便を柔らかくする「酸化マグネシウム」が併用されることがあります。

その場合はパントシン細粒と酸化マグネシウム(粉タイプ)を混合で処方されることがあります。

食事からの栄養が不足し、便が硬く、便がでない場合には理にかなった処方と言えるでしょう。

妊娠・授乳中の服用

パントシンは妊婦さんや授乳中の方にも特に注意書きはなく処方されることがあります。
授乳中でも授乳を避ける必要はないと考えられます。

副作用は?

パントシンはビタミン剤であることから副作用は少ない薬です。

主な副作用は下痢・軟便(0.1~5%未満)、腹部膨満、嘔吐(0.1%未満)、食欲不振(頻度不明)で報告されています。