ケタス(一般名:イブジラスト)は気管支喘息を抑える抗アレルギー薬ですが、脳の血流を増加させ脳循環を改善することから脳神経外科でも処方される頻度の高い薬です。
ケタスが気管支喘息や脳梗塞後のめまいに効果のある作用機序・メカニズムについてまとめました。
効能・効果(めまい)
ケタス(イブジラスト)の効能効果です。
- 気管支喘息
- 脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善
脳梗塞を起こした患者さんは、脳の血流が低下していることからふらつき、たちくらみ、めまいといった症状がみられます。
ジェネリック医薬品(ピトナスカプセル)
ケタスカプセルの薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
- ピナトスカプセル10mg
有効成分や効能・効果はまったく同じとなります。
作用機序(ホスホジエステラーぜ阻害)
ケタス(イブジラスト)には主に下記の2つの作用があります。
- 気道の炎症を抑え、気管支を広げ、気管支喘息の発作を起こりにくくする作用
- 脳の血液循環をよくすることで、頭痛、頭重、めまいや意欲低下を改善する作用
より詳しいメカニズムについて解説します。
体の中にcAMP(読み方:サイクリックエーエムピー)やcGMP(読み方:サイクリックジーエムピー)と呼ばれる物質が作られるのですが、これらの濃度が上昇すると下記のような作用を示します。
- 気管支平滑筋を弛緩
- 気道の過敏を抑える
- 血管を広げる
- 血栓ができるのを防ぐ
- 神経を保護する
- 炎症を抑える
cAMPやcGMPはホスホジエステラーゼ(PDE)と呼ばれる酵素によって分解されてしまうのですが、ケタス(イブジラスト)はホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害する作用があります。
そのためcAMPやcGMPの濃度が高まり、気管支喘息を抑えたり、脳の血流がよくなるのです。
またケタス(イブジラスト)にはアレルギーの原因となるロイコトリエンやPAF(血小板活性化因子)の働きを抑える作用があり、気管支喘息による気道過敏・炎症・攣縮の抑制することができると考えられています。