便秘症に処方されるのが新レシカルボン坐剤です。

新レシカルボン坐剤がどのように便秘を改善するのか、作用機序(メカニズム)や使い方について解説していきます。

新レシカルボン坐剤作用機序

腸内で炭酸ガスを発生させ、腸を刺激することで腸の運動である蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にし便通をよくします。

新レシカルボン坐剤は炭酸水素ナトリウム無水リン酸二水素ナトリウムが有効成分となっており、直腸内で溶けて炭酸ガス(CO2)を発生させます。

この炭酸ガス(CO2)が直腸粘膜を刺激したり、拡張させることで、刺激が大腸のS状結腸に伝わると、大腸の蠕動運動が活発になり、便通を改善させるのです。

33.0℃~36.0℃で溶け、約110mLの炭酸ガス(CO2)が発生します。

新レシカルボン坐剤の使い方・入れ方

まず手を清潔に洗います。

肛門を傷つけたり、菌が入らないようにするためにも爪は切っておきましょう。

横向きに寝た状態で挿入しますが、入りにくい場合は、中腰の姿勢で坐薬を2/3くらいまで挿入した状態で立ち上がるとスッと中まで入ってきます。

自力で立ち上がれない方の場合は、横向きに寝た状態で坐薬を2/3くらいまで挿入し、足を伸ばすと坐薬が自然に中まで入っていきます。

手で坐薬の先を温めるか、肛門にしばらく押し当てると先が溶けて入りやすくなります。
もしくは坐薬の先に少量の水をつけても良いでしょう。

肛門に挿入したあとは1〜2分程度、手やティッシュなどを肛門に押し当て、坐薬が出てこないようにします。

緊張すると入りにくくなりますので、ゆっくりと呼吸をするように心がけてください。

坐薬を挿入した後に激しい運動をすると、坐薬が外に出ることがありますので、便が出るまでは激しい運動は控えた方がよいでしょう。

効果発現時間

新レシカルボン坐剤を販売する製薬メーカーの資料によると、

「ビーグル犬14匹に本剤を投与したところ、平均約18分後に排便が認められた」

となっています。

薬局で患者さんとお話する中ではおよそ15分〜30分の間で効果を実感する方が多いように感じます。

効かない・効果がない場合

「新レシカルボン坐剤を使ったのに効果がでない!効かない!」

と訴える患者さんが時々いらっしゃいます。

新レシカルボン坐剤は直腸で溶けて、主に大腸の下部に作用するため便が大腸下部まで達していないと効果を期待できない可能性があります。

新レシカルボン坐剤は冷蔵庫保管

新レシカルボン坐剤の保管方法ですが、冷蔵庫保管になります。
室温だと中が溶けてしまう可能性がありますので、冷蔵庫で保管しましょう。