にきびやとびひ、やけどの際に処方されるのがテラコートリル軟膏です。
テラコートリル軟膏について薬局でよく聞かれる質問を中心にまとめてみました。
成分(ステロイド+抗生物質)
テラコートリル軟膏1g中に抗生物質のオキシテトラサイクリン塩酸塩が30mg、ステロイドの ヒドロコルチゾンが10mg入っています。
効能・効果
テラコートリルが使われる疾患は下記の通りです。
・深在性皮膚感染症、慢性膿皮症
・湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患: 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
・外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
・歯周組織炎、感染性口内炎、舌炎
使い方(塗り方)
1日1~数回直接指や綿棒で患部に塗るか、無菌ガーゼ等にのばして貼付します。ベタベタ使用せず薄く広げて塗りましょう。
口の中の使い方・塗り方
一般的に口内炎や舌炎などの口腔内の疾患には、毎日又は隔日に少量を患部に注入又は塗擦します。
ニキビに効く?
テラコートリルはニキビ(ざ瘡)の適応はありませんが、顔の炎症や化膿を抑える目的で処方されることはあります。
ヘルペス・熱の花に使える?
ヘルペスには効果がなく、ステロイド薬が症状を悪化させますのでヘルペス、口唇ヘルペス(熱の花)には自己判断で使用しないようにしましょう。
細菌感染など二次感染時に使われるケースもありますが、必ず医師の指示に従ってください。
陰部に使っていい?
カンジダやいんきんたむしには使用できませんが、汗などによる陰部の皮膚湿疹には処方されることがあります。
テラコートリル軟膏の強さ
テラコートリル軟膏に含まれるステロイド薬「ヒドロコルチゾン」はステロイドの中でもウィークという一番弱いランクに位置づけられています。
副作用
報告されている副作用は下記の通りです。
いずれも頻度は不明となっています。
皮膚の感染症
オキシテトラサイクリン耐性菌又は非感性菌による感染症、真菌症(白癬、カンジダ症等)、 ウイルス感染症
過敏症
皮膚の刺激感、発疹、接触性皮膚炎
皮膚症状
長期連用によりステロイド痤瘡(尋常性痤瘡に 似るが、白色の面皰が多発する傾向がある。)、 ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)、 魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失
下垂体・副腎皮 質系機能
大量又は長期にわたる広範囲の投与、密封法 (ODT)により、下垂体・副腎皮質系機能の抑制
眼
眼瞼皮膚への投与により、眼圧亢進、緑内障
大量又は長期にわたる広範囲の投与、密封法 (ODT)により、後嚢白内障、緑内障