クラミジアなどによる尿道炎や子宮頚管炎ではジスロマック(成分名:アジスロマイシン)という抗菌薬が処方されることがあります。
1日1回の1日投与で薬物治療が完了することから、臨床現場では処方される頻度の高い薬です。
ジスロマックには錠剤やSRというタイプ、また2倍量が含まれたジェネリック医薬品がありますので、それぞれの用法と副作用について説明したいと思います。
ジスロマック 錠250mgの飲み方(服用方法)
尿道炎や子宮頚管炎では1日1回4錠で処方され、1日の服用で薬物治療は完了します。(アジスロマイシンの量に換算すると1回1000mg服用)
アジスロマイシン錠500mg「トーワ」の飲み方(服用方法)
東和薬品から1錠にジスロマックが2錠分の入った500mgタイプのジェネリック医薬品が販売されています。
尿道炎や子宮頚管炎では1日1回2錠で処方され1日で薬物治療は完了します。(アジスロマイシンの量に換算すると1回1000mg服用)
ジスロマックSRの飲み方(服用方法)
ジスロマックSR成人用ドライシロップは 空腹時に水で溶かし 1回1瓶服用することで治療が完了します。
(アジスロマイシンの量に換算すると1回2000mg服用)
ジスロマックSRのみ食後に服用すると吸収が多くなりすぎて副作用が強くでる可能性があるため空腹時に服用するようになっています。
ちなみにSRとは、
Sustained Release=「持続して放出する」
という意味があります。
ジスロマックSRはドライシロップのみで錠剤タイプは販売されていません。
治療期間(完治までの期間)
ジスロマック(アジスロマイシン)は1日1回の治療でおそよ1週間(7日間)効果が持続します。
だいたいは1回服用したら治療は完了しますが主治医からOKをもらうまでは性交渉は控えてください。
副作用について
ジスロマック錠はクラミジア治療では1度に4錠も服用することから、副作用が気になる方も多いと思います。
発売元のファイザーが試験したデータでは最も頻度の高いのが、下痢・軟便、続いてALT増加(肝機能の低下)、好酸球数増加、悪心・腹痛があります。
臨床現場では下痢・軟便、吐き気など消化器系の副作用が最も多いと感じています。
妊娠中・授乳中には服用できるの?
ジスロマックの発売元であるファイザーが発表している資料(インタビューフォーム)に妊娠中や授乳中の対応が記載されているので抜粋します。
妊婦 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
引用元: ジスロマックインタビューフォーム
このように妊娠中の方には治療の有益性を上回る時のみOKとなっていますが、臨床では妊娠中であっても使用されるケースはしばしばあります。
また製薬メーカーの説明書によると授乳は中止することとなっています。
ヒト母乳中に移行することが報告されているので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。
引用元:ジスロマックインタビューフォーム
しかし海外の基準ではジスロマック(アジスロマイシン)は授乳中の服用は比較的安全のL2に位置づけられています。
L2 概ね適合(比較的安全):probably compatible 少数例の研究に限られるが、乳児への有害報告なし。リスクの可能性がある根拠はほとんどない。
そのため、Drによっては「授乳を中止しなくても大丈夫」と説明されるケースも実際にはあります。
市販薬はある?通販は安全?
ジスロマックの有効成分であるアジスロマイシンが入った市販薬は販売されていません。
個人輸入サイトの通販などでも販売されているケースがありますが、安全性の面から自己判断での購入は避けるようにしましょう。