夜間に目が覚める中途覚醒や、早朝に目が覚める時、またなかなかぐっすり眠れない熟眠障害に処方される睡眠薬がベンザリン(成分名:ニトラゼパム)です。
ベンザリンの錠剤はニトラゼパムが2mg、5mg、10mgが入った3つの規格が存在します。
また先発品として別のメーカー(第一三共)からはネルボン錠が販売されています。
ジェネリック医薬品との違い・効かない?
ベンザリンにはジェネリック医薬品が多く存在します。
ニトラゼパム+メーカー名の名前で、トーワ薬品やテバ製薬、ツルハラなどから販売されています。
先発品のベンザリンとジェネリック医薬品は有効成分は全く同じですが添加物が異なります。
そのため効果に違いを感じると訴える患者さんが時々いらっしゃいます。
効くまでの時間・持続時間
「効果が発現するまでどれくらいかかる?」
「持続時間はどれくらい?」
といった質問を受けることがあります。
ベンザリン(ニトラゼパム)は服用後、15分~30分で効果がでてきます。
薬を服用して最高の血中濃度に達する時間をtmax(ティーマックス)と呼ぶのですが、ベンザリン錠5mgのtmaxは約1.6時間となっています。
薬が半分の濃度に分解されるまでの時間を半減期またはt1/2(ティーハーフ)というのですが、ベンザリンの半減期は27.1時間となっています。
つまりベンザリンを服用すると15分~30分後に効果を実感でき、1.6時間後(96分後)に効果が最大になり、その後27時間間隔で濃度が半分になっていきます。
ベンザリンの持続時間は6~8時間といわれており、中間型の睡眠薬として位置づけられています。
中間型の睡眠薬としてはロヒプノール(成分名:フルニトラゼパム)やユーロジン(成分名:エスタゾラム)があります。
お酒(アルコール)との飲み合わせ
「今度飲み会があるけど、お酒を飲んでベンザリン飲んでも大丈夫?」
といったアルコールとベンザリンとの飲み合わせついての質問を受けることが多くあります。
製薬メーカーの説明書によると、ベンザリンを服用中は極力お酒を避けるように注意喚起がされています。
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。
引用元 ベンザリン添付文書
付き合いなどで時々お酒を飲む程度であれば問題はありませんが、お酒を飲んだ際にベンザリンを服用する場合は、ふらつきなどの副作用が強く現れることがありますので注意しましょう。
依存性の現れる期間・離脱症状
「ベンザリン(ニトラゼパム)は依存性ある?」
この「依存性」についての質問は一番多く受けます。
ベンザリンは高用量でかつ服用期間が長くなるほど依存性が現れることが報告されています。
薬物依存(0.1%未満)を生じることがあるので,観察を十分に行い慎重に投与すること。連用する場合には特に注意すること。
引用元 ベンザリンインタビューフォーム
だいたい4ヶ月間連用した場合は依存性のリスクが高くなると言われています。
必要以上に多く飲むのは避け、眠れるようになった場合は主治医に相談し徐々に減らしてもらうようにしましょう。
また長期に服用していて急に中止や減量をした場合、痙攣や不安、幻覚などの離脱症状が報告されています。
大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により,痙攣発作(0.1%未満)譫妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと。
引用元 ベンザリンインタビューフォーム
眠れるようになったからといって自己判断で中止したり減量したりするのは避けて、主治医の指示のもと徐々に減らしていくようにしましょう。