夜中に目が覚める中途覚醒や、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒、ぐっすり眠れない熟眠障害に処方される睡眠薬がドラール錠(成分名:クアゼパム)です。
ドラールはクアゼパムが15mgと20mg入った2つの規格が存在します。
睡眠薬の中では最も長い長時間型に位置づけられています。
ジェネリック医薬品との違い
ドラールは薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
クアゼパム錠+メーカー名で、日医工やサワイ製薬、トーワ薬品、アメルから発売されています。
先発品のドラールとジェネリック医薬品は有効成分は全く同じですが、添加物が異なるため、効き方に違いを感じる方も時々いらっしゃいます。
効くまでの時間・持続時間
ドラールは服用して15分~60分で効き始めます。
薬の血中濃度が最大になるまでの時間をtmax(ティーマックス)というのですが、ドラールのtmaxは3.42時間となっています。
また薬の血中濃度が半分にまで分解される時間を半減期またはt1/2(ティーハーフ)というのですが、ドラールの半減期は36.6時間となっています。
つまりドラールを服用すると15~60分で効き始め、3.42時間で効果が最大に達し、その後、36時間かけて薬がゆっくりと半分に分解されていきます。
実際に効果の実感できるドラールの持続時間は6~8時間と言われています。
食事(夜食)との影響
ドラール(クアゼパム)は食事の影響をとても受ける薬で有名です。
食事を摂った後に、ドラールを服用すると空腹時に比べて、最大血中濃度が3倍以上高くなることが報告されています。
夜食を食べた後などにドラールを服用すると薬が効きすぎて、ふらつきなどの副作用も強く現れてしまいます。
そのためドラール(クアゼパム)は食物と併用禁忌(へいようきんき)といって絶対に一緒に摂ってはいけないことになっています。
お酒(アルコール)との飲み合わせ
「今度飲み会だけどお酒は飲んでいい?」
お酒との飲み合わせについてよく患者さんから聞かれる質問なのですが、お酒とドラールを併用するとふらつきや眠気などが増強されるため極力避けなければいけません。
たとえ間隔をあけてもドラールは長く作用する薬剤のため、特にアルコールとの飲み合わせに注意が必要な睡眠薬です。
依存性・離脱症状
「ドラール(クアゼパム)は依存性がありますか?」
患者さんから最もよく聞かれるのが「依存性」についてです。
ドラールは長期間服用することで依存性が現れることが報告されています。
依存性(頻度不明)
大量連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量を超えないよう慎重に投与すること。
引用元 ドラールインタビューフォーム
必要以上に摂取すると依存性が現れる可能性が高くなります。
また長期に服用し、急に中止したり減量した場合、幻覚や震えなどの離脱症状が現れることがあります。
大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により,痙攣発作,譫妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
引用元 ドラールインタビューフォーム
眠れるようになったからといって、ドラールを自己判断で急に辞めたり、減らすと離脱症状が現れることがありますので、主治医の指示のもと徐々に減らすようにしましょう。