薬には一緒に飲むことによって、副作用が増強されたり、吸収が低下するものがあります。
今回は薬を少しでも服用する方に知っていただきたい専門用語、「薬物相互作用」「併用禁忌」「併用注意」について説明したいと思います。
薬物相互作用について
たとえばAという薬とBという薬を併用した場合を考えてみましょう。
Aが分解されるのをBが妨げる場合
Aの血液中での濃度が高くなり、結果的にAの効き目が強くなり、副作用が増強します。
Aが分解するのをBが促進する場合
Aの血液中での濃度が低くなり、Aの効果が低下してしまいます。
このように薬と薬が作用し合うことを薬物相互作用といいます。
実はこの薬物相互作用は非常に多く、より安全に、より効果的に薬を服用していただくために現場の薬剤師は薬物相互作用と日々闘っているのです。
併用禁忌と併用注意の違い
薬物相互作用を起こす薬の中でも、絶対に一緒に飲んではいけない組み合わせと、注意して慎重に飲むならOKの組み合わせがあります。
絶対に一緒に服用してはいけない組み合わせを医療現場では併用禁忌(へいようきんき)と言われます。一緒に服用してもいいけれど、慎重に注意して服用しなければいけない組み合わせは併用注意(へいようちゅうい)と言われます。
併用禁忌の薬が処方された場合
医療現場では併用禁忌の薬は基本的に処方する事ができない仕組みになっています。
もし併用禁忌の薬が処方されていた場合、薬剤師は医師に併用禁忌であることの問い合わせをしなけばいけません。このことを疑義照会(ぎぎしょうかい)といいます。
疑義照会によって相互作用が出にくい薬に変更されることもありますが、場合によっては併用禁忌の薬でもそのまま処方されるケースもあります。
薬局は一つにまとめるべし
もし病院ごとに薬局を変えてしまったら、このような併用禁忌や併用注意を見逃される可能性があります。
なぜならドクターは専門外の薬の知識が乏しいからです。病院はバラバラでも薬を貰う薬局を一つにすることで、薬剤師が薬の相互作用を調べてくれて、問題があれば疑義照会をしてくれます。
どうしても薬局を一つにできない場合はお薬手帳を持参しましょう。