肩や腰などの神経の痛みがある時に処方される薬がノイロトロピン錠です。
ノイロトロピン錠について、痛みに効果のあるメカニズム、薬局で患者さんから聞かれる質問についてまとめてみました。
ノイロトロピンとは?作用機序(メカニズム)
ノイロトロピンはワクシニアウイルスを摂取したウサギの炎症皮膚組織から抽出してつくられた薬です。
主に3つの作用があるとされています。
・下行性疼痛抑制系神経の活性化作用
・発痛物質であるブラジキニンの遊離抑制作用
・末梢循環改善作用
具体的にどのようなメカニズムで作用するのかはこちらに詳しくまとめられています。
効能・効果
ノイロトロピン錠の効能・効果は下記の通りです。
帯状疱疹後神経痛、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、変形性関節症
ノイロトロピンは神経の「痛み」や「しびれ」にも効果を示すのが特徴です。
ロキソニンとの違い・併用
痛みや発熱を抑えるロキソニン(一般名:ロキソプロフェンナトリウム)に比べて、ノイロトロピンはしびれなどの「神経の痛み」に効果があるのが特徴です。ノイロトロピンはロキソニンのような、熱を下げる作用はありません。
作用機序がロキソニンとノイロトロピンに違いがありますので、しばしば併用で処方されることがあります。
胃腸に負担はかかる?
ノイロトロピンはロキソニンやボルタレンと違ったメカニズムとなっており、他の痛み止めで問題となるような胃腸障害はなく胃を傷つけることはありません。
眠気の副作用はでる?
ノイロトロピンは眠気の副作用が出ない薬です。
承認時〜市販後調査までで報告されている副作用の眠気の発現率は19846中11件で0.06%と極めて低くなっています。
妊婦・授乳中の使用
妊婦さんや授乳中は「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、治療上の有益性が危険 性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中及び授乳中の投与に関する安全性は確立していない。〕
ジェネリックは販売されている?
ノイロトロピン錠にはジェネリック医薬品は販売されていません。