円形脱毛症や壮年性脱毛症に処方される塗るタイプの治療薬にフロジン外用液(一般名:カルプロニウム塩化物)があります。
フロジン外用液について薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
有効成分
フロジン外用液1mL中にカルプロニウム塩化物水和物が54.6mg(カルプロニウム塩化物として50mg)入っています。
効能・効果
フロジン外用液の効能・効果です。
・下記の疾患における脱毛防止ならびに発毛促進
円形脱毛症(多発性円形脱毛症を含む)
悪性脱毛症、び漫性脱毛症、粃糠性(ひこうせい)脱毛症、壮年性(そうねんせい)脱毛症、症候性脱毛症など
・乾性脂漏
・尋常性白斑
作用機序(メカニズム)
フロジン外用液の有効成分である「カルプロニウム」は血管を拡張させ毛細血管の血流を良くする作用があります。
血管平滑筋にはアセチルコリン受容体というものが存在するのですが、アセチルコリン受容体が刺激されると血管が拡張します。
カルプロニウムはアセチルコリン受容体を刺激することで血管を広げ血流をよくします。
また機能が低下している毛のうに作用し発毛を促進させる働きもあります。
アロビックス・カルプラニンも同じジェネリック
フロジン外用液は後発医薬品(ジェネリック医薬品)に分類されていますが、先発品は存在しません。
フロジン外用液より薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。
- アロビックス外用液
- カルプラニン外用液
円形脱毛症の治療にアロビックスやカルプラニンが処方されることがありますが、効能・効果や塗り方はフロジン外用液とまったく同じとなっています。
塗り方(使用方法)
脱毛症・乾性脂漏の場合
1日2~3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージします。
手のひらにとって塗ってもいいですし、範囲が広い場合は容器を直接振りかけて手で軽くマッサージをしながら頭皮に馴染ませてください。
入浴後の皮膚が温かい時に使用すると、ほてりや刺激感が強くなる可能性があるため、少し皮膚が冷めてから塗布することが推奨されています。
ステロイド薬と併用時の順番
円形脱毛症時にはフロジン外用液にステロイドの外用液が併用で処方されることがあります。
フロジン外用液を先に塗って頭皮をマッサージして血管を拡張させた後にステロイドを塗るのが効果的といわれています。
主治医からの指示がある場合はそちらに従って使用するようにしましょう。
妊娠中・授乳中の使用
フロジン外用液の添付文書には妊娠・授乳中の注意書きはなく、妊婦さんや授乳中の方に処方されるケースがあります。
フロジン外用液での催奇形性は報告されていません。
市販薬はある?(カロヤンシリーズ)
フロジン外用液の有効成分である「カルプロニウム」のみが入った市販薬は販売されていませんがカルプロニウムが配合された市販薬があります。
第一三共ヘルスケアさんから販売されているカロヤンシリーズです。
カルプロニウムは1ml中10mg〜20mg配合されていますので、フロジン外用液は市販薬の4〜5倍量の濃度になります。
カロヤンシリーズの一覧です。
- NFカロヤンアポジカΣ
- NFカロヤンガッシュ
- カロヤンプログレEX
- カロヤンプログレGL
- カロヤンプログレO
- カロヤンS