赤ちゃんの湿疹・あせもやおむつかぶれ、やけどなどに処方されるステロイド薬がキンダベート軟膏(成分名:クロベタゾン酪酸エステル)です。

kinder(キンダー)はドイツ語で子供という意味で、より安全に子供にも使えるステロイド薬であることからキンダベート軟膏と名付けられたそうです。

キンダベート軟膏について薬局で聞かれる質問を中心にまとめてみました。

キンダベート強さは?

ステロイドのランクには

ストロンゲスト(最も強い)
ベリーストロング(とても強い)
ストロング(強い)
マイルド(優しい)
ウィーク(弱い)

と5段階に分かれるのですがキンダベート軟膏の成分クロベタゾン酪酸エステルはマイルドに位置づけられています。

ジェネリック医薬品との違いは?

キンダベート軟膏には薬価の安いジェネリック医薬品が存在します。

  • キングローン軟膏
  • キンダロン軟膏
  • クロベタゾン酪酸エステル軟膏「YD」
  • クロベタゾン酪酸エステル軟膏「テイコク」
  • クロベタポロン軟膏
  • パルデス軟膏

添加物に違いはありますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。

効能・効果・有効率

キンダベート軟膏の効能・効果は下記のとおりとなっています。

アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む) 顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎

ステロイドの強さはマイルドと優しいため「効かないの?」と聞かれることがありますが効果もしっかりと認められています。

以下に製薬メーカーが実施した試験データを抜粋します。

アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む) の有効率
83.5%(193/231)
顔面、頚部、腋窩、陰部における湿疹・ 皮膚炎 の有効率
85.7%(90/105)

陰部への使用

カンジダなどの真菌が原因の時や、ヘルペスウイルスが原因の時に陰部に使用すると症状が悪化しますので、カンジダやヘルペスが疑われる場合には絶対に使用してはいけません

汗による湿疹やオムツかぶれの場合は陰部にも処方されることがあります。

妊婦・授乳中の使用

製薬メーカーの説明書では下記の通りになっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること(妊娠中の使用に関する安全性は確立していない)となっています。

引用元 キンダベートインタビューフォーム

臨床現場では妊婦さんへ処方されることは時々あります。

授乳中については添付文書に注意書きがないことから「授乳を続けてOK」と指導されるケースがあります。

薬(軟膏)をなめてしまう場合

赤ちゃんが顔や口の周り、手に塗った薬を舐めてしまうことがありますが、キンダベート軟膏は塗った後、皮膚から吸収されますし、口に入ってもごく少量のため全く問題はないと考えられます。

舐めてしまった場合でも薬は皮膚から吸収されていますので塗り直さなくて問題ないと考えます。