粉ミルクや母乳、乳製品で下痢をおこす際に処方される粉薬がミルラクト細粒やガランターゼ散です。

ミルラクト細粒、ガランターゼ散の作用機序や飲ませ方についてまとめました。

乳糖不耐症とは?

粉ミルクや母乳、乳製品に含まれるのが乳糖(ラクトース)です。

この乳糖を分解する酵素が足りなかったり、分解する力が弱いことで乳糖が消化されず、お腹が張ったり、ゴロゴロ鳴ったり、下痢がおこることを乳糖不耐症(読み方:にゅうとうふたいしょう)といいます。

乳糖(ラクトース)は腸内の酵素であるラクターゼによってガラクトース乳糖グルコース)に分解されます。

乳糖(ラクトース)の消化酵素であるラクターゼが欠損していたり、活性が低下していると乳糖が腸内で分解されません。

消化不良の乳糖は大腸で発酵され、脂肪酸や炭酸ガスを発生し、腹部膨満感や下痢を引き起こします。

遺伝的にラクターゼが欠損している場合を1次性乳糖不耐症、小腸粘膜の炎症などが原因でラクターゼ活性が低下し下痢を引き起こすことを2次性乳糖不耐症といいます。

作用機序・乳糖分解酵素薬

ミルラクトやガランターゼの有効成分であるβ-ガラクトシダーゼは乳糖(ラクトース)にあるβ-D-ガラクトシド結合を加水分解することで、ガラクトースとグルコースに分解する作用があります。

このような作用機序からミルラクトやガランターゼは乳糖分解酵素薬とよばれます。

ミルラクトとガランターゼの違い

ミルラクトもガランターゼも同じβ-ガラクトシダーゼが有効成分ですが、ガランターゼはアスペルギルス(カビの一種)から、ミルラクトはペニシリウム(カビの一種)から精製されています。

ペニシリウム由来のミルラクトの方が水に溶けやすいのが特徴です。

味はわずかに甘い

ミルラクト細粒はわずかに甘く、スッとした冷感があります。

ガランターゼ散もわずかな甘みがついています。

ミルクや母乳に混ぜても飲みやすい薬です。

50℃以上で酵素活性が低下

ミルラクト細粒、ガランターゼ散は50℃以上になると酵素活性が低下し、効果が減弱してしまいます。

そのため50℃以上の熱い飲み物や食べ物に混ぜないように注意しなければいけません。

ミルラクト・ガランターゼ飲ませ方(母乳時に水・お湯に溶かす場合)

母乳をあたえている場合、1回分を小皿などに入れ、お水か50℃以下のぬるま湯を少量入れて溶かし、授乳の直前や授乳中にスポイトやスプーンなどで飲ませます。

ミルラクト・ガランターゼ飲ませ方(粉ミルクに溶かす場合)

粉ミルクは病原菌を殺菌するために70℃以上のお湯で溶かすことが推奨されています。

50℃以上のお湯でミルラクト・ガランターゼが分解されてしまいますので、50℃以下に冷ましたあとに、ミルクの入った哺乳瓶の中に溶かして飲ませる方法もあります。

ミルラクト・ガランターゼを飲み忘れた場合の対応

ミルラクト・ガランターゼを飲ませ忘れた場合、授乳や食事のすぐ後であれば飲ませて問題ありません。

授乳や食事を与えて、しばらく時間が経って飲み忘れに気づいた場合は1回分をとばして次回より正しいタイミングで服用させることとなっています。

ただし、主治医から特別指示がある場合はそちらに従うようにしてください。