胃炎や十二指腸潰瘍などで処方される青色の粉薬がマーズレンS配合顆粒(成分名:アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、L-グルタミン)です。
マーズレンS配合顆粒について特徴や薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
効能・効果
マーズレンS配合顆粒の効能・効果は下記の通りです。
下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎
ジェネリック医薬品
マーズレンS配合顆粒には薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。
ジェネリック医薬品 | メーカー名 |
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アズクレニンS配合顆粒 | 日本ジェネリック |
グリマック配合顆粒 | 沢井製薬 |
トーワズレン配合顆粒 | 東和薬品 |
ルフレン配合顆粒 | 日医工 |
グロリアミン配合顆粒 | サンド |
ポドニンS配合顆粒 | テバ製薬 |
マナミンGA配合顆粒 | 鶴原 |
アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン配合顆粒「クニヒロ」 | 皇漢堂 |
ヨウズレンS配合顆粒 | 陽進堂 |
ジェネリック医薬品は先発品のマーズレンS配合顆粒と添加物は異なりますが、有効成分と効能・効果は同じとなっています。
有効成分・作用機序
マーズレン配合顆粒にはアズレンスルホン酸ナトリウム水和物(1g中3mg)と、L-グルタミン(1g中990mg)の2つの有効成分が含有されています。
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物の作用機序
マーズレン配合顆粒に含まれるアズレンスルホン酸ナトリウム水和物は、炎症のある胃粘膜に直接働き、炎症を抑える抗炎症作用、傷を早く修復させる肉芽新生作用があります。
L-グルタミンの作用機序
マーズレン配合顆粒に含まれるL-グルタミンは、潰瘍組織を保護したり、再生する働きがあり、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物と配合することでより効果が高まります。
逆流性食道炎に効果ある?
逆流性食道炎の治療薬には胃酸の分泌を抑えるH2ブロッカー(ガスターなど)や、PPI(タケプロン、パリエット、ネキシウムなど)と呼ばれる薬が使用されます。
マーズレンS配合顆粒には胃酸を抑える作用はないため、逆流性食道炎の適応はとっておりません。
食前?食後?飲み忘れた場合の対応は?
マーズレンS配合顆粒は食事の影響を受けない薬です。
そのため食後でも食前(空腹時)に服用しても効果に変わりませんので、食事が摂れない場合は無理に食後に服用する必要はありません。
飲み忘れた場合は基本的には気付いた時に服用してください。
次回服用分と間隔が短い場合はとばして、次回から正しく服用しましょう。
妊娠・授乳中の使用
「妊婦だけどマーズレンS配合顆粒は服用できる?」
患者さんから時々聞かれる質問ですが、製薬メーカーの説明書では「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
引用元 マーズレン配合顆粒インタビューフォーム
授乳中の使用について注意書きがないことから「授乳を中止しなくてOK」と指導されるケースがあります。
市販薬はある?
マーズレンS配合顆粒と全く同じ成分が入った市販薬はありません。
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物とL-グルタミンが入った市販薬に「ストマクールA細粒」があります。
ストマクールA細粒にはマーズレンの有効成分に加え、胃粘膜を修復するアルジオサ、胃酸を中和する合成ヒドロタルサイト、水酸化マグネシウムが含有されています。