過敏性腸症候群に処方される薬がポリフルコロネルといった薬です。

ポリフルとコロネルには錠剤タイプと細粒タイプがあります。

ポリフルもコロネルもどちらも先発医薬品で、同じ有効成分のポリカルボフィルカルシウムが含有されています。

ポリカルボフィルカルシウムはどんな薬なのか?

作用機序や服用の注意点についてまとめてみました。

過敏性腸症候群(IBS)とは?原因と症状

過敏性腸症候群はIrritable Bowel Syndromeの頭文字をとってIBSとも呼ばれることがあります。

下痢や便秘といった便通異常と、腹痛、腹部膨満感等の腹部症状があるにも関わらず、器質的な異常がないのがIBSの特徴です。

IBSは精神的・肉体的ストレスや食物繊維の少ない食事など様々な要素が絡み合って発症するため原因の特定が難しいのが現状です。

主に過敏性腸症候群(IBS)は下記の3つに分類されます。

下痢型
便秘型
下痢と便秘を繰り返す交替型

ポリフルやコロネルの有効成分であるポリカルボフィルカルシウムは下痢型、便秘型、交替型のいずれにも効果を発揮します。

作用機序・メカニズム

ポリカルボフィルカルシウムを服用すると胃の中でポリカルボフィルカルシウムに分解されます。

ポリカルボフィルは小腸や大腸で吸水力と保水力を発揮し、下痢や便秘を改善します。

下痢の時はポリカルボフィルが小腸や大腸の水分を吸収しゲル化することで、消化を緩やかにし、下痢を改善したり、便の回数を正常にします。

また便秘の時はポリカルボフィルが小腸や大腸の水分を吸収し膨潤することで、腸内容物を軟らかくし、消化を早めることで、便を軟らかくし、便を出す作用があります。

このようにポリカルボフィルは小腸や大腸の中で直接作用することで、繰り返す腹痛や下痢や便秘を改善する働きがあります。

ジェネリック医薬品

ポリフルやコロネルの錠剤には薬価の安いジェネリック医薬品は販売されていません。

しかし細粒にはジェネリック医薬品としてポリカルボフィルCa細粒83.3%「日医工」が存在します。

市販薬

ポリフルやコロネルの有効成分であるポリカルボフィルカルシウムが入った市販薬は販売されていません。

妊娠・授乳中の服用

妊婦さんの場合は「治療上の有益性が危険性を上回る場合にOK」となっています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には, 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない〕 

引用元 ポリフルインタビューフォーム

授乳中の使用について添付文書には注意書きはありません。

ポリフルやコロネルは消化管内で作用し血液中に吸収されにくいため赤ちゃんに影響がでる可能性は低いと考えられます。

そのため「授乳を中止しなくてOK」と指導されるケースがあります。

カルシウムの摂取は控える

ポリカルボフィルカルシウムを服用中にカルシウム入りのサプリメントを摂取すると血中のカルシウム濃度が高くなる高Ca血症を起こすことがありますので、健康食品のカルシウム剤は避けるようにしましょう。

錠剤は大きいので多めの水で服用

コロネルやポリフルの錠剤タイプは大きいため、コップ一杯の多めの水で服用するようにしましょう。

服用後につかえてしまうと、食道で膨張する可能性もゼロではありませんので、必ず多めのお水で服用するようにしましょう。