逆流性食道炎や胃炎に処方される薬がタケプロンOD錠(一般名:ランソプラゾール)です。
タケプロンOD錠について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
規格・種類・味
タケプロンには口の中で溶けるOD錠以外にカプセルタイプも存在します。
- タケプロンOD錠15mg
- タケプロンOD錠30mg
- タケプロンカプセル15mg
- タケプロンカプセル30mg
OD錠はいちご味がついており、甘くて飲みやすいのが特徴です。
そのためカプセルタイプよりもOD錠が頻繁に使用されます。
ジェネリック医薬品
タケプロンOD錠には薬価の安いジェネリック医薬品が販売されています。
- ランソプラゾールOD錠「ケミファ」
- ランソプラゾールOD錠「サワイ」
- ランソプラゾールOD錠「DK」
- ランソプラゾールOD錠「JG」
- ランソプラゾールOD錠「日医工」
- ランソプラゾールOD錠「トーワ」
- ランソプラゾールOD錠「テバ」
先発品に比べて添加物に違いがあるため、味や見た目に違いがありますが、有効成分や効能・効果はまったく同じとなっています。
妊娠・授乳中の服用
妊婦さんには「治療上の有益性が危険性を上回る場合に投与すること」となっています。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[動物試験(ラット)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている。なお、ラットにランソプラゾール(50mg/kg/日)アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)及びクラリスロマイシン(160mg/kg/日)を併用投与した試験で、母動物での毒性の増強とともに胎児 の発育抑制の増強が認められている。]
引用元 タケプロン インタビューフォーム
また授乳中は「授乳を避けること」となっています。
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]
引用元 タケプロン インタビューフォーム
一方で海外の基準では授乳中にタケプロンの服用は「L3:概ね適合」に位置づけられております。
そのため、「授乳を続けてもいい」と指示されるDrもいらっしゃいます。
L3概ね適合:probably compatible 授乳婦の対照試験はないが、児不都合な影響が出る可能性がある。又は対照試験でごく軽微で危険性のない有害作用しか示されていない。母親の潜在的な有益性が児の潜在的なリスクを凌駕する場合のみ投与(論文でのデータがない新薬は安全と考えられても自動的にL3)
市販薬
タケプロンの有効成分であるランソプラゾールが入った市販薬は日本では販売されていません。
アメリカのドラッグストアではランソプラゾールなどPPI製剤が市販で販売されています。
日本でタケプロンに近い薬はH2ブロッカーのガスターになりますが、切れ味はタケプロンに比べると劣ってしまいます。
市販薬のガスターを服用しても体調が優れない場合は消化器内科を受診するようにしましょう。
2017年5月11日
効果発現時間、効果持続時間についての文面は削除いたしました。
ご指摘いただきありがとうございます。