お腹が張ったり、ガスがたまって苦しい時に処方されるのがガスコン錠(一般名:ジメチコン)です。
ガスコンの有効成分のジメチコンは一般にシリコーンといわれ工業用でも利用されています。
ガスコンは胃腸内のガスを除去することから、Gastroenteric Distress Controlの一部をとり「Gascon=ガスコン」と名付けられています。
ガスコンについて薬局で患者さんから聞かれる質問をまとめました。
効能・効果
ガスコンの効能・効果は下記の通りです。
- 胃腸管内のガスに起因する腹部症状の改善
- 胃内視鏡検査時における胃内有性粘液の除去
- 腹部 X 線検査時における腸内ガスの駆除
作用機序(ガスを出すメカニズム)
お腹が張るといった腹部膨満感がある時は胃腸内に小さなガスの気泡がたくさん溜まった状態になっています。
ガスコンの有効成分であるジメチコンは胃腸内の小さなガス気泡の表面張力を低下させることで気泡を破裂させ、ガスを外に出す働きがあります。
ガスを消すわけでなく、あくまで外に排泄させるため、おならやゲップとしてでてきます。
そのため
「おならの回数が増えたから受診したのに、ガスコン飲んでもっとオナラが増えた・・・」
と訴える患者さんがいらっしゃいます。
妊娠・授乳中の服用
ガスコンは妊婦さんや授乳中でも問題なく服用できる薬です。
ジェネリック医薬品
ガスコン錠にはジェネリック医薬品が販売されています。
- ガスオール錠40mg「陽進」
- ガステール錠40mg
- ポリシロ錠40mg
先発品のガスコンと薬価が同じとなっています。
市販薬はある?
ガスコンと同じ胃腸内のガスを除去する市販薬がガスピタンaです。
ガスピタンにはガスを除去する「ジメチルポリシロキサン」が1日あたり180mg入っており、ガスコンの「ジメチコン」と全く同じものとなっています。
ガスピタンにはラクトミンやビフィズス菌といった整腸剤や食物繊維を分解するセルラーゼAP3が入っています。
薬の成分でみると医療用のガスコンよりも、市販のガスピタンの方が効果を発揮すると考えられます。
ガスコンはガスを除去するあくまで対症療法でしかありません。
お腹が張りやすい場合は食生活に問題があるケースが多くあります。
ゆっくりよく噛んで食べることを心がけてください。
芋類はガスを発生しやすいので、特にゆっくり噛んで食べるようにしましょう。