血液透析患者さんではほとんどの方が皮膚の痒みを訴えます。
血液透析患者さんの痒みは、皮膚の乾燥による末梢性の痒みと、中枢性の痒みの大きく2つに分類されるのですが中枢性の痒みに処方される薬がレミッチやノピコールです。
どちらも「ナルフラフィン塩酸塩」が有効成分となっています。
レミッチとノピコールの違い
レミッチとノピコールの規格です。
- レミッチカプセル2.5μg、レミッチOD錠2.5μg
- ノピコールカプセル2.5μg
レミッチには口の中で溶けるOD錠が存在します。
レミッチカプセルとノピコールカプセルの違いですが、有効成分、添加物ともにまったく同じで、販売する製薬メーカーが異なるのみとなっています。
レミッチは製造販売が東レ、販売が鳥居薬品、
ノピコールは製造販売が東レ・メディカルとなっています。
作用機序
血液透析患者さんの中枢性による痒みの原因の一つに「オピオイド受容体」が関与していると言われています。
オピオイド受容体にはκ(カッパ)・μ(ミュー)・δ(デルタ) 受容体があります。
この中でもオピオイドμ(ミュー)受容体を活性化するとかゆみを誘発し、オピオイドκ(カッパ)受容体を活性化するとかゆみが抑制されます。
通常はオピオイドμ(ミュー)受容体とオピオイドκ(カッパ)受容体のバランスがとれていますが、血液透析患者さんではオピオイドμ(ミュー)受容体を刺激するβ-エンドルフィンと呼ばれる物質の分泌が増加しているといわれています。
そのためオピオイドμ(ミュー)受容体の活性化がオピオイドκ(カッパ)受容体の活性化に比べて優位となるため「痒み」を感じてしまいます。
レミッチやノピコール(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)は痒みを抑えるオピオイドκ(カッパ)受容体を刺激します。
オピオイドκ(カッパ)受容体を刺激することで、オピオイドμ(ミュー)受容体刺激による痒みに拮抗し、痒みを抑えるのです。