大腸の粘膜に潰瘍やびらんなどの炎症が起きてしまう病気に潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)があります。

潰瘍性大腸炎は20歳前後をピークとする若年者に発症することが多く、激しい下痢や血便、腹痛などを繰り返す「活動期」と、症状が落ち着く「寛解期」を繰り返し、原因が不明のため完治ができず生涯にわたり治療が必要な難治性の疾患です。

潰瘍性大腸炎に処方される経口治療薬が、メサラジン(別名:5-アミノサリチル酸 5-ASA)です。

メサラジンが有効成分の薬は

  • ペンタサ
  • アサコール
  • リアルダ

の3種類があります。

メサラジンの作用機序、ペンタサ・アサコール・リアルダの違いについてまとめました。

メサラジン(5-ASA)作用機序

有効成分であるメサラジンは炎症細胞から放出される活性酸素を消去することで、大腸粘膜の炎症が進行したり、組織が傷つけられるのを防ぎます。

またロイコトリエンの生合成を抑え炎症性細胞組織への湿潤を抑制する働きもあります。

ペンタサ・アサコール・リアルダの違い

ペンタサ錠の特徴
ペンタサは小腸〜大腸で徐々に有効成分のメサラジンが放出されるように作られています。
そのため小腸でも炎症が起こる「クローン病」にも適応があります。

アサコール錠の特徴
大腸でメサラジンが放出するように作られたのがアサコールです。
アサコールはpHが7.0以上ではじめて有効成分のメサラジンを放出するように設計されています。
そのため胃では溶けずに、小腸の下部〜大腸で集中して有効成分が放出されます。
1日3回服用する必要があります。

リアルダ錠の特徴
アサコールと同じように大腸でメサラジンが放出されますが、1日1回の服用で治療ができるように設計されたのがリアルダです。

大腸の入り口付近である小腸下部で薬のコーティングが溶け、マルチマトリックス(MMX)という特殊な技術で大腸の中で持続的に作用するため1日1回の服用でOKとなっています。

1日に服用する量も2錠〜4錠と他の薬に比べて少なく、服用に対する身体的負担を軽減することができます。

便の中から殻がでることあり(ゴーストピル)

ペンタサ、アサコール、リアルダともに錠剤をコーティングしている殻が便中に排泄されることがあります。

このように薬の殻が便中から出てくることをゴーストピル、またはゴーストタブレットと呼ばれます。

薬局でも

「薬がそのまま出てきた!!」

と訴える患者さんが時々いらっしゃいますが、薬はしっかり吸収されていますので問題はありません。