アイファガン点眼液(一般名:ブリモニジン酒石酸塩)はα2刺激薬と呼ばれ、
チモプトール点眼液やミケラン点眼液といったβ遮断薬と同等の眼圧低下作用が期待できるとされています。
β遮断薬では気管支喘息や、重篤なCOPD、心不全、洞性徐脈、房室ブロック (II、III度)、心原性ショックのある方には処方ができない禁忌(きんき)となっています。
緑内障患者は高齢者に多いことから、β遮断薬を処方したくても禁忌に該当することから使えないといったケースがあります。
一方でα2刺激薬であるアイファガン点眼液は気管支や心臓に疾患がある方にも処方ができるといった強みがあります。
またアイファガン点眼液には神経保護作用も期待できることから眼科の医師の間では注目される薬剤です。
アイファガン点眼液がどのように眼圧を下げるのか?
作用機序について解説していきます。
作用機序・α2刺激薬
アイファガン点眼液(ブリモニジン) は「房水の産生を抑える作用」と「房水の排泄を促す作用」により眼圧を低下させます。
眼圧は房水の産生と排泄によって調整されているのですが、
房水の産生が多かったり、房水の排泄が上手くいかなくなると眼圧が上昇してしまいます。
緑内障治療薬は大きく分けて2つに分類されます。
- 房水の産生を抑える薬
- 房水の流出を促す薬
房水の流出を促す薬は「流出する経路」によってさらに2つに分類されます。
- 繊維柱帯-シュレム管経路(主経路)
- ぶどう膜強膜流経路(副経路)
房水の排泄の割合は繊維柱帯-シュレム管経由の方が高いため、
「主経路」は繊維柱帯-シュレム管経由、「副経路」がぶどう膜強膜流経由とされています。
アイファガン点眼液(ブリモニジン)は交感神経のα2受容体を刺激することで、房水産生を抑え、副経路であるぶどう膜強膜流経路から房水の排泄を促し、眼圧を低下させます。
アルコール(お酒)と併用注意
アイファガン点眼液を使用中にアルコール(お酒)を摂取すると、
眠気やふらつきなど鎮静作用が増強されることが報告されており「併用注意」となっています。
絶対にお酒を飲んではいけない「併用禁忌(へいようきんき)」ではありません。
目薬併用時は5分以上あける
アイファガン点眼液を使用中に他の目薬を併用する場合は5分以上間隔をあける必要があります。