花粉やハウスダストによる目の痒みや充血といったアレルギー性結膜炎に処方される目薬がアレジオン点眼液(成分名:エピナスチン塩酸塩)です。
内服薬ではアレジオン錠として存在し、市販薬もあることから馴染みのある薬かと思います。
「ソフトコンタクトレンズの上から点眼してOK?」
「妊娠中だけど大丈夫?」
「授乳はストップした方がいい?」
など薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にアレジオン点眼液についてまとめてみました。
1回1滴でOK・やや薬価は高い
一般的にアレジオン点眼液は1日4回朝・昼・夕・寝る前で使用します。
パタノール点眼やリボスチン点眼など他のアレルギー治療の点眼薬は1回1~2滴となっていますが、アレジオン点眼は1回1滴で充分効果があります。
そのためアレジオン点眼液は1本(5ml)あたりの薬価は高くなっています。
妊娠中・妊婦への使用
「妊娠しているけどアレジオン点眼を使用していい?」
と質問されることがありますが、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に使用することとなっています。
妊娠中でも短期の使用であれば問題なく使用することができます。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、妊娠前及び妊娠初期試験(ラッ ト:経口)では受胎率の低下が、器官形成期試験(ウサギ:経口)では胎児致死作用が、いずれも高用量で認められている。
引用元 アレジオン点眼液 インタビューフォーム
授乳中の使用
製薬メーカーの説明書では授乳中にアレジオン点眼液を使用した場合は、母乳に移行することが報告されているため授乳を避けることになっています。
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。動物実験(ラット:経口)で乳汁中へ移行することが報告されている。
引用元 アレジオン点眼液 インタビューフォーム
製薬メーカーの説明書では少しでも母乳に移行すれば「授乳を中止させること」となっています。しかし、実際は母乳に移行する量はごくわずかで赤ちゃんに影響がでないことがほとんどです。
アレジオン点眼液に関しても、授乳を中止しなくてもよいと指導されることが実際には多くあります。
赤ちゃん・子供への使用
「子供は何歳から使用できる?」
と聞かれることがありますが、幼児まで6歳未満の子供には安全性が確立されていないとなっています。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する安全性は確立していない (低出生体重児、新生児、乳児に対しては使用経験がない。幼児に対しては使用経験が少ない)
引用元 アレジオン点眼液 インタビューフォーム
ソフトコンタクトレンズの上から点眼できる?
もともとアレジオン点眼液にはベンザルコニウム塩化物という防腐剤が入っておりました。
ベンザルコニウム塩化物はクセものでソフトコンタクトレンズに吸着し角膜に炎症を起こすことが報告されているため、ソフトコンタクトレンズは外して点眼するようになっていました。
しかし製剤改良が行われベンザルコニウム塩化物を外すことに成功したため、現在では全てのコンタクトレンズの上から点眼が可能となっています。
フルメトロン(オドメール)との併用・順番
アレルギー性の炎症がひどい時にフルメトロン点眼液やオドメール点眼液などのステロイド薬が一緒に処方されることがあります。
フルメトロン点眼液やオドメール点眼液は「懸濁性」のため、先にアレジオン点眼液をさした後、5分間隔をあけてフルメトロン点眼液(orオドメール)をよく振って使用することが推奨されています。
開封後の使用期限・保管方法
開封後はたとえ使用期限内であっても1ヶ月以内で使い切るか、1ヶ月以上経った場合は廃棄することをオススメします。
保管は冷蔵庫でなく、室温保管となっています。
市販薬はある?
アレジオン点眼液の有効成分であるエピナスチンが入った市販薬は販売されていません。
アレジオンに近い市販の目薬はケトチフェンが入ったザジテンAL点眼液になります。