暑くなる5月~8月にかけて増えてくるのが熱中症です。
毎年、熱中症で重症化したり、死亡するケースも報告されています。
正しい知識をつけることで、熱中症は予防できますし、初期症状を理解し初期段階で正しく対処すれば重症化を防ぐことができます。
熱中症についての分類と対処法、予防方法についてまとめてみました。
熱中症の分類
日本救急医学会での熱中症の分類は軽症から重症にかけてⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型と分類されます。
それぞれの症状と治療法は下記の通りです。
分類 | 症状 | 治療 |
---|---|---|
Ⅰ度 | 立ちくらみ・めまい・生あくび・大量の発汗・筋肉痛・こむら返り | 冷所で安静・体表冷却・経口的に水分とNaの摂取 現場で対応可能 |
Ⅱ度 | 頭痛・嘔吐・倦怠感・虚脱感・集中力や判断力の低下 | 医療機関での受診 体温管理・安静・水分とNaの補給(経口or点滴) |
Ⅲ度 | 意識障害・小脳症状・痙攣 肝・腎機能障害 血液凝固異常 | 入院 体温管理(体表冷却・血管内冷却)、DIC治療 |
参考 日本救急医学会熱中症分類
熱中症の初期症状
熱中症の初期症状はⅠ型に分類され、主な症状はめまい、立ちくらみ、こむら返りがおこります。
初期症状の場合は、基本的には現場で体を冷やし、経口補水液(OS1やアクアサポート)を摂取します。
頭痛や吐き気などが起こるようでしたら医療機関を受診することをオススメします。
熱中症の応急処置・対応
めまいや失神、筋肉の硬直や大量の発汗などあった場合には、まず「意識があるかどうか」を確かめます。
意識がない場合は直ちに救急車を呼びましょう。
意識がある場合は涼しい場所に避難させ、服を脱がせて体を冷やします。
氷があれば首やワキ、太ももの付け根を集中的に冷やし、経口補水液などの水分を摂取させましょう。
自分で摂取できないようであれば医療機関へ搬送してください。
また経口補水液や水分・塩分を摂取しても症状が改善しない場合は医療機関を受診するようにしましょう。
熱中症の予防
何より熱中症は予防することが大事です。
正しい予防方法についてご紹介したいと思います。
①水分・塩分の摂取
こまめに水分や塩分を摂取します。高齢者やSGLT2阻害薬と呼ばれる糖尿病治療薬や利尿剤を服用中の方は自覚症状がなくてもこまめに水分を摂るようにしましょう。
高齢者の場合、夜間の脱水を防止するためにも寝る前に水分補給をすることをオススメします。
②温度管理
夏場は我慢せずエアコンや扇風機を使用し、快適な温度に部屋を調整してください。すだれや遮光カーテンをつけ、室温が上がりにくい環境をつくりましょう。
③外出時の対応
外出時は日傘や帽子を着用し、こまめに休憩をとるようにしましょう。
特に夏場の天気のよい日は日中の外出はできるだけ控え、出かける際は通気性のよい服をきて、お茶やお水など携帯するようにしましょう。