手足にできるイボや硬くなった足底イボに使われる市販薬がイボコロリです。
主に尋常性イボといって手や足によくできる表面がザラザラしたイボや、尋常性イボが足底にできて硬くなった足底イボにイボコロリが効果を発揮します。
イボコロリには1g中に主成分のサリチル酸が0.1g含まれており、皮膚の角質を剥がして皮膚を正常な状態に戻す作用があります。
イボに悩む患者さんから聞かれる質問を中心にイボコロリの使い方や使用してはいけないイボ、イボコロリの特徴についてまとめてみました。
使い方・塗り方・使用間隔
1日4回患部に1滴ずつ専用の棒で垂らします。
間隔は朝・昼・夕・寝る前くらいがオススメです。
塗ると患部が乾いて白い膜をはり、薬が浸透していきます。
次に塗るときは白い膜を剥がして塗りますが、剥がせない場合はそのまま塗っても問題ありません。
朝や夜はシャワーやお風呂あがりに塗るとより効果がでます。
効果がでるまでの時間
イボの大きさにもよりますが、一般的にはイボコロリを塗り始めて3~4日くらいで皮膚が白く変化してきます。
剥がれはじめたら白い膜とともに無理のないようにピンセットなどで取り除きます。
完全にイボがなくなるまで繰り返し使い、取れた場所の皮膚は自然と修復されます。
顔への使用
イボコロリは顔には使用しないようになっています。
市販薬は自己判断で使用するものなので顔のように皮膚が薄い場所へは副作用が起きやすいため控えるようになっています。
水イボ・老人性イボ・コンジローマへの使用
水イボは伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれ一般的なイボとは異なります。
一般的なイボはヒトパピローマウイルスが原因となるのですが、水イボはポックスウイルスが原因となります。
水イボの場合は皮膚科や小児科で、硝酸銀や液体窒素での処置やヨクインニンなどの内服薬が処方されることもあれば、自然に治るのを待つケースもあります。
イボコロリの主成分であるサリチル酸に水イボへの効果はないため水イボが疑われる場合は受診をすることをオススメします。
また老人性イボと呼ばれる膨らみの少ない黒褐色のイボにも使用できません。
老人イボの場合は悪性腫瘍の可能性もありますので市販薬を自己判断で使用する前に受診をすることが推奨されています。
性感染症であり陰部や肛門にできるイボ(尖圭コンジローム)にもイボコロリは使用できません。
ホクロに使用できる?
インターネットでは「イボコロリでホクロをとった」と記載されていることがありますがホクロには効果がなく、むしろ皮膚を傷つけたりして見た目が悪くなることもあります。
ホクロの場合、最近では美容皮膚科などでレーザー治療で安く除去できますので、ホクロを取りたい場合は受診をオススメします。
ウオノメコロリとの違い
魚の目やタコにはウオノメコロリが使われるのですが、ウオノメコロリはイボコロリと同じサリチル酸が10%に加えて、皮膚を剥がしたり、軟らかくする効果がある「乳酸」が入っています。
魚の目やタコはイボに比べてより厚く硬いため、乳酸を入れることで皮膚の剥離作用を強めています。
妊娠中のイボコロリの使用
イボコロリの説明書では、妊娠中の場合は「医師、薬剤師に相談すること」となっています。
医療用医薬品(処方箋が必要な医薬品)でイボコロリと同じ成分のサリチル酸ワセリンの説明書では
経口投与による動物実験で催奇形作用が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ使用すること。
引用元 サリチル酸ワセリン添付文書
となっています。
念のため、妊娠中の場合は主治医に相談して使用するようにしましょう。
授乳中のイボコロリの使用
授乳中は特に授乳を中止することなくイボコロリを使用ができると考えられます。