パーキンソン病は下記の4つを特徴とする疾患です。
- 振戦(手足のふるえ)
- 筋固縮(こわばり)
- 無動(動作が遅い)
- 姿勢・歩行障害
パーキンソン病は黒質メラニン含有神経細胞の変性によって中枢のドパミンが減少することが原因と考えられています。
パーキンソン病ですくみ足や立ちくらみが起こる原因
パーキンソン病では立ちくらみや、足が地面に貼りついたように足が出ない状態(すくみ足現象)になることがあります。
すくみ足の状態では、地面に足をすりながら歩くため体が前傾姿勢となり、転倒のリスクも高くなってしまいます。
これらは脳内のノルアドレナリンが減少していることが原因と考えられています。
なぜならノルアドレナリンはドパミンから生成されるからです。
パーキンソン病患者さんは脳内のドパミン量が減少していることから、ノルアドレナリンの減少も見られるのです。
ドプス(ドロキシドパ)作用機序
ドプス(ドロキシドパ)はノルアドレナリンの前駆物質で、体内の芳香族 L-アミノ酸脱炭酸酵素によってl -ノルアドレナリンに変換されて効果を発揮します。
脳内で減少したノルアドレナリンを補充することで、立ちくらみやすくみ足を改善するのです。
ドプスのすくみ足の適応・Yahr重症度分類とは?
ドプス錠はパーキンソン病(Yahr(読み方:やーる)重症度分類ステージ3)における立ちくらみ・すくみ足への適応をとっています。
Yahr重症度 | 症状 |
---|---|
Ⅰ | 片側のみの症状・ごく軽い症状 |
Ⅱ | 両側に症状・姿勢反射障害なし |
Ⅲ | 姿勢反射障害がある |
Ⅳ | 日常生活に介助が必要なことあり |
Ⅴ | 一人で起立・歩行ができない |
Yahr重症度分類でステージⅢである「姿勢反射障害がある状態」が対象で、
通常はパーキンソン病治療薬が効いている時間にすくみ足や立ちくらみが現れる場合にドプス錠が使用されます。
パーキンソン病治療薬であるレボドパ製剤を服用すると、薬の効果が短くなり次回の服用時までに症状が強く現れるWearing off(ウエアリングオフ)現象がでることがあります。
wearing offによって生じるすくみ足や立ちくらみには、通常はレボドパ製剤の効果を延長させたり増強させるwaring off対応がされ、ドプス錠は使われません。
主な副作用
ドプス(ドロキシドパ)の主な副作用は
悪心(1.5%)、血圧上昇(1.3%)、頭痛・頭重感(1.2%)、幻覚(1.1%)、食欲不振(0.8%)、めまい(0.8%)、胃痛(胃部不快感等)(0.6%)、動悸(0.6%)等1)
(2473例中)
となっています。
1)ドプス錠インタビューフォーム