水虫は白癬菌というカビの一種が原因でおこります。
水虫治療薬として処方されるのが抗真菌薬です。
抗真菌薬の中でもブテナフィン塩酸塩という成分がはいった外用剤がメンタックスとボレーで2つの製薬メーカーから販売されています。
規格や作用機序、ブテナフィンが入った市販薬について解説していきます。
規格(クリーム・液・スプレー)
メンタックスとボレーには下記の規格が存在します。
- メンタックスクリーム1%
- メンタックス外用液1%
- メンタックススプレー1%
- ボレークリーム1%
- ボレー外用液1%
- ボレースプレー1%
作用機序(メカニズム)
メンタックス・ボレーの有効成分である「ブテナフィン塩酸塩」は真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害します。
より細かく作用機序を解説します。
真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールはざっくりと下記のように合成されます。
メバロン酸
↓
スクアレン
↓
ラノステロール
↓
エルゴステロール
エルゴステロールはメバロン酸からスクアレンを経て合成されます。
スクアレンからエルゴステロールに変換されるまでいくつか過程があるのですが、その際に必要となる酵素(スクアレンエポキシダーゼ)をメンタックス・ボレー(ブテナフィン塩酸塩)が阻害します。
そのため真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成が抑えられ、抗真菌作用を示すのです。
人間の細胞膜に「エルゴステロール」は存在しないことから人の細胞を傷つけず、真菌のみに作用するのが特徴です。
カンジダに効果ある?
メンタックスやボレーは「カンジダ症」に適応はありません。
足部白癬(水虫)、股部白癬(インキンタムシ)、体部白癬(タムシ)と、癜風(読み方:でんぷう)に効能・効果があります。
日常生活の注意点
水虫治療中の日常生活の注意点をピックアップします。
- 毎日足はせっけんで洗う
- 靴や靴下は通気性のよいものを選ぶ
- 医師の指示があるまで薬をやめない
- 家族・友人とタオル・マット・スリッパなどの共有を避ける
メンタックス・ボレーの市販薬はブテナロック
メンタックスやボレーに含まれる抗真菌薬成分の「ブテナフィン塩酸塩」が同じ濃度含有された市販薬がブテナロックVαです。
ブテナロックVαには抗真菌薬に加えて下記の成分が配合されています。
成分名 | 働き |
---|---|
マレイン酸クロルフェニラミン | 痒み止め 抗ヒスタミン作用 |
クロタミトン | 痒み止め |
ℓ‐メントール | 冷感刺激作用 |
イソプロピルメチルフエノール | においの元となる菌の殺菌作用 |
塩酸ジブカイン | かゆみの伝達を抑える作用 |
グリチルレチン酸 | 抗炎症作用 |
メンタックスやボレーを使用したことがあって、再び水虫に感染した場合などには適した薬剤となります。