2型糖尿病治療の際に使われる薬がベイスン(成分名:ボグリボース)です。

ベイスンにはボグリボースが0.2mg入ったものと0.3mg入ったものがあります。また口の中で溶かすタイプの口腔崩壊錠としてベイスンOD錠も販売されています。

ベイスン(ボグリボース)について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心に解説したいと思います。

ジェネリック医薬品との違い

ベイスンには薬価の安いジェネリック医薬品(後発品)が存在します。

ボグリボース+メーカー名でトーワ薬品やサワイ製薬、日医工などから販売されています。

またフィルムシートタイプのボグリボースODフィルムもあります。

「ジェネリック医薬品と先発品のベイスンと違いはある?」

と聞かれることが時々ありますが、添加物は異なりますが、有効成分や効能・効果は全く同じです。

作用機序(メカニズム)

なぜベイスン(ボグリボース)が血糖値を下げるのでしょうか?

作用機序(メカニズム)について説明したいと思います。

食事で体に入った糖質(でんぷん、ショ糖、麦芽糖など)は小腸に存在するαグルコシダーゼと呼ばれる消化酵素によってブドウ糖に分解されます。

ベイスン(ボグリボース)は消化酵素であるαグルコシダーゼの働きを抑え、糖の分解、吸収を遅らせる働きがあります。

そのためベイスン(ボグリボース)を服用すると食後の急激な血糖値の上昇を抑えることができるのです。

食直前はいつ?理由

ベイスン(ボグリボース)は食直前に服用する薬です。

食前でなく食事の直前です。

食直前とは、食事のすぐ前、だいたい食事の5分以内のことを指します。

特にベイスン(ボグリボース)に関しては、「お箸を持った時に服用しましょう」と僕は指導しています。

飲み忘れた時の対処法(食後・食事中に気づいた場合)

食直前となると飲み忘れがしばしば問題となります。

薬局でも患者さんから

「ボグリボースを飲み忘れたけど、食後に服用して大丈夫?」

と質問を受けることがあるのですが、食後に服用すると、効果が期待できません。

食事の後に飲み忘れに気づいた場合は、服用せず、次回から正しい量で服用しましょう。

食事の途中に気がついた場合は服用しても問題ないと指導されるケースが多くあります。