便が硬い時など便秘薬として使用される薬が酸化マグネシウム「ヨシダ」です。
また同じ「酸化マグネシウム」が入ったマグミット錠もよく処方されるかと思います。
酸化マグネシウムは便秘薬だけでなく胃酸を中和する制酸剤としても使用されることがあります。
酸化マグネシウム(orマグミット)について薬局で患者さんから聞かれる質問を中心にまとめてみました。
マグラックスから名前が変わった
酸化マグネシウム「ヨシダ」は元々、マグラックスという名前で販売されていました。
名前が変わりましたが、中の有効成分や添加物は全く同じものとなっています。
作用機序・便秘に効果のある理由
なぜ酸化マグネシウムが便秘に効果があるのでしょうか?
作用機序(メカニズム)について説明したいと思います。
酸化マグネシウムは腸の中で炭酸マグネシウムに変身します。
炭酸マグネシウムは腸内の水分が再吸収されてしまうことを防ぎ、腸内の水分量を増加させます。
そのため腸管の内容物が水分を含み膨れ、腸管が刺激されることで便が出るのです。
また酸化マグネシウムは便を出す働き以外に胃酸を中和する制酸作用もあります。
一日何錠まで飲める?
酸化マグネシウムの便秘での用法は
酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
となっています。
酸化マグネシウムは1錠あたり200mg、250mg、300mg、330mg、400mg、500mgのタイプが存在します。
酸化マグネシウムは1日2g、すなわち2000mgとして服用しますので330mgだと1日6錠くらいが目安となります。
妊娠・授乳中の服用
「妊娠中だけど酸化マグネシウムは安全?」
「授乳中だけど服用していい?」
患者さんから聞かれることがあるのですが、酸化マグネシウムは妊娠中や授乳中の注意書きはなく安全な便秘薬となっています。
また授乳中であっても「授乳を中止することなく服用して問題ない」と指導されるケースが多くあります。
大量の牛乳と飲み合わせが悪い理由
酸化マグネシウムを服用中は大量の牛乳を避けなければいけません。
大量の牛乳と酸化マグネシウムを併用するとカルシウムの血中濃度が上昇してしまうからです。(高カルシウム血症)
「大量の牛乳ってどれくらいの量?」
とよく聞かれるのですが、およそ1リットルと言われています。
1~2杯の牛乳なら問題ないですが、酸化マグネシウムを服用中は1リットル以上の牛乳を毎日飲み続けることは避けるようにしましょう。