赤ニキビだけでなく白にニキビにも効果のある塗り薬がベピオゲル(成分名:過酸化ベンゾイル)です。
過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide)はアルファベットからBPO(ビーピーオー)と呼ばれています。
日本において2015年までBPOの入った保険の効くニキビ治療薬はなかったため美容マニアの若い女性の方が通販などで購入して使用するケースも多くみられました。
ベピオゲルが赤・白ニキビに効果のある理由
ベピオゲルは抗生物質でもステロイドでもなく新しい作用機序の薬です。
ニキビの原因となるアクネ菌やブドウ球菌は嫌気性菌といって酸素を嫌うんですね。
ベピオゲルは酸化剤といって皮膚の中で酸素を与える働きがあり、アクネ菌やブドウ球菌が育ちにくい環境を作ります。
また角層を剥がす角層剥離作用(ピーリング作用)もあるため毛穴のつまりを改善し、炎症のあるニキビだけでなく、炎症のない白ニキビの治癒効果も高めます。
使い方・塗り方・化粧水の使用
ベピオゲルは1日1回洗顔後に塗ります。タイミングは朝でも夜の入浴後でも時間をとりやすい時に塗ってください。
しかし塗った部分は紫外線を避けた方がいいため、朝よりも夜塗ることが推奨されています。
夜、お風呂上りに塗って、朝洗顔をしても十分に皮膚の中に吸収されていますので副作用を防ぐためにも1日に2回は塗らないようにしましょう。
顔全体に塗る場合、薬の量は人差し指の先から第一関節までの長さが目安となっていますので塗る範囲に合わせて調整してください。
皮膚が清潔な状態の方がより効果がでますので化粧水などの保湿剤を塗る前に使うのがベターです。
効果がでるまでの期間
「1ヵ月使っているけど効果ないです・・・」
と薬局で相談されるケースもあります。
12週間(約3ヵ月)ベピオゲルを塗った時の効果について製薬メーカーのマルホさんのデータを抜粋します。
炎症性皮疹数減少率72.73%
非炎症性皮疹数減少率56.52%
総皮疹数減少率62.22%
効果がある場合は塗りはじめて3ヵ月の期間で効き目を実感できます。
医師からの指示を優先しますが、効果の判断は3ヵ月くらいを目安にするとよいと思います。
副作用
ベピオゲルの主な副作用は
皮膚剥脱(18.6%)適用部位刺激感(14.0%)適用部位紅斑(13.8%)適用部位乾燥(7.4%)
です。
「いつから副作用がでる?」
という質問を受けますがだいたいは使用を始めて1~2ヵ月で出てきます。
漂白作用もあるため服や枕、髪につかないように注意しましょう。
ヒリヒリする場合
ヒリヒリする副作用は14%の確率で報告されています。副作用としては高い確率でおこりますが、だいたい症状は軽いです。
我慢できないくらいヒリヒリする場合は中止することとなっています。ヒリヒリが続き、仕事や生活に支障がでるようであれば使用を中止して受診した時に主治医に報告してください。
ダラシンTゲルとの併用・順番
抗生物質のダラシンTゲル(クリンダマイシン)とベピオゲルが併用されるケースがあります。
医師から順番の指定がなければベピオゲルを先に使うことが推奨されています。
ベピオゲルを先に塗る理由ですが、ベピオゲルはニキビ全体に、ダラシンTゲルは化膿部分にスポットで塗ります。
先にダラシンTゲルを塗ってしまうと後から広範囲に塗るベピオゲルによって広げられてしまうためベピオゲルを最初に塗ることが推奨されています。
ベピオゲルを全体に塗って乾いてからダラシンTゲルを塗るのが一般的な使い方です。
アクアチムクリームとの併用・順番
抗菌薬のアクアチムクリーム(ナジフロキサシン)とベピオゲルが併用される場合、医師から順番の指定がなければベピオゲルを先に使うことをオススメします。
ベピオゲルを先に塗る理由はダラシンTゲルと全く同じで塗る面積がベピオゲル>アクアチムクリームのため先にベピオゲルを塗って乾いた後、スポットでアクアチムクリームを塗ることが推奨されています。