ビーソフテン油性クリームが名称変更となり、ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」となりました。
以前のビーソフテン油性クリームはピンク色だったのですが、大きく見た目も変わりました。
ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」はヒルドイドソフト軟膏のジェネリック医薬品になるのですが、薬局では患者さんから「ヒルドイドソフト軟膏とヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」はどう違うの?」と聞かれることがあります。
現場で患者さんから受けた質問をもとに、それぞれの違い・特徴についてまとめてみました。
同じ点
ヒルドイドソフト軟膏、ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」はどちらも有効成分や効能・効果は同じとなります。使い方も同じで、どちらも入浴後に塗布するのをオススメしています。
有効成分は同じ
ヒルドイドソフト軟膏もヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」も1g中にヘパリン類似物質 3.0mgが含有されています。
効能・効果は同じ
ヒルドイドソフト軟膏もヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」も効能・効果は同じです。
効能・効果は下記の通りです。
皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷 (打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
異なる点・比較
「ヒルドイドソフト軟膏の方がしっとりしている」
「ジェネリックに変えるとサラッとする」
といった声もあります。
なぜヒルドイドソフト軟膏の方がしっとりしているのでしょうか?
秘密は添加物にあるのです。
添加物に違いがある
ヒルドイドソフト軟膏にはサラシミツロウと呼ばれる添加物が入っています。そのため、ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」よりヒルドイドソフト軟膏の方がしっとりとするのが特徴です。
サラシミツロウとは?
密着性、被覆性、乳化安定を目的に配合されており、ヒルドイドソフト軟膏の販売メーカーであるマルホの特許となっています。そのためサラシミツロウが添加物に入ったヒルドイドソフト軟膏のジェネリックは2017年時点で存在していません。
以下にそれぞれの添加物を抜粋します。
ヒルドイドソフト軟膏
グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、 エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メ チル、パラオキシ安息香酸プロピル
ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」
濃グリセリン、スクワラン、軽質 流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、グリセリン脂肪酸エス テル、ジブチルヒドロキシトルエ ン、エデト酸ナトリウム水和物、 パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル
値段(薬価)の違い
2017年時点のそれぞれの薬の値段です。
ヒルドイドソフト軟膏 | ヘパリン類似物質油性クリーム 「日医工」 | |
---|---|---|
1g | 23.70円 | 9.0円 |
25g | 593円 | 225円 |
1本あたり368円ヒルドイドソフト軟膏の方が薬価が高くなります。3割負担だと110円ほど異なってきます。
ヒルドイドソフト軟膏のジェネリック
ヒルドイドソフト軟膏のジェネリック医薬品は「日医工」以外に下記の3種類が存在します。
- ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニプロ」
- ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「アメル」
- ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「ニットー」
それぞれ大きな違いはありませんが、「ニプロ」と「ニットー」が1gあたりの薬価がやや安くなっています。(2017年時点 1g6.3円)
使い分け
しっとりと使いたいならヒルドイドソフト軟膏、さっぱりと使いたいならヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」でしょうか。
少しでも値段を安くしたいなら、ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」がオススメです。
一般名で処方されていたり、ジェネリックに変更可能な処方せんの場合は薬局で薬剤師に希望するとヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」、もしくは「ニプロ」「ニットー」などのジェネリック医薬品で出してくれます。
薬局に在庫がない場合は取り寄せになってしまいます。